BOOTS CAREしまう前のブーツクリーニングにおい・湿気と内側まで考えるケア
コートは洗ったのに、ブーツはそのまま靴箱へ。季節の終わりこそ、外の泥だけでなく、内側の汗や湿気も見直す機会です。次に履く日のための一足のお手入れをご紹介します。

衣替えの最後に、靴箱の前で立ち止まってみる
冬のコートをクリーニングに出し、ニットも片付けた。そこで満足して、何度も履いたブーツをそのまま箱へ戻していませんか。外側に大きな汚れがなくても、筒の中やつま先には、履いていた時間の汗や湿気が残っていることがあります。
次の季節に箱を開けてから、においやカビに気づくのは避けたいもの。デアでは、革や内張り、ボア、接着部分の状態を確認し、一足ごとに洗浄と乾燥の方法を考えます。しまう前のひと手間は、次に履く楽しみを準備する時間でもあります。
こもったにおいは、内側を見直すきっかけ
ブーツのにおいには、残った汗や皮脂、角質などと、湿気の多い環境が関わります。表面へ香りを付けても、内側の汚れそのものを洗い流すことにはなりません。足が触れる中敷きだけでなく、奥まで手の届きにくいつま先や、ボアの間にも目を向ける必要があります。
湿気と汚れが残った状態で長く収納すると、カビの発生につながる場合があります。白い付着物、黒い斑点、いつもと違うにおいに気づいたら、自己判断で隠すようにクリームを塗る前にご相談ください。革の色の変化や劣化も一緒に確認します。
家で洗う難しさは、乾かすときにもあります
革は、表面の仕上げや染色によって水への反応が異なります。家庭で一律に丸洗いすると、色むらや輪ジミ、硬化、型崩れが起こることがあります。スエード、ムートン、エナメル、異素材の組み合わせも、同じ扱いにはできません。
特にロングブーツやボア付きの靴は、表面が乾いても奥に湿気が残りやすい構造です。短時間で乾かそうと強い熱を加えることも、素材や接着部分への負担になります。洗えるかどうかだけでなく、形を保って内部まで乾かせるかを考えることが、専門的なお手入れのポイントです。
表と裏、足の入る奥まで。洗浄する場所を分けて考える
工房では、外側の泥やほこりと、内側にたまる汚れをそれぞれ確認します。洗浄可能と判断したブーツは、素材に合う方法で水や洗浄液を通し、手作業で汚れを浮かせていきます。写真では、内側のすすぎと、筒を支えたスポンジ洗いの様子をご覧いただけます。
広い革面だけでなく、ファスナーの近くや縫い目、底の溝も気になる場所です。泥や小石などが残っていれば、必要に応じて細かな道具で取り除きます。見える面を磨いて終わるのではなく、一足の構造に沿って手をかける仕事です。


洗った後の形までが、クリーニング
洗浄後は、革へ急な負担をかけないよう時間をかけて乾燥させます。筒の形を支え、内側の乾き方も確かめながら進め、仕上げでは表面や縫い目、履いたときに気になるしわの状態を確認します。
汚れが落ちても、擦れて失われた色や、カビによる変色、革の傷が残ることはあります。クリーニングと補色・修理は役割が異なるため、見た目のお悩みも一緒にお伝えください。靴底の傷みや接着部分の劣化がある場合も、洗浄前に確認する必要があります。


戻ってきた一足を、湿気の逃げる場所へ
返却後は、輸送用の袋に入れたまま長くしまわず、案内に沿って風を通します。靴箱も詰め込み過ぎないようにし、換気や湿気への対策を考えましょう。きれいにした後も、収納する場所の湿気が多ければ、カビのリスクはなくなりません。
保管のために無理に折り曲げると、筒へ深いしわが付くことがあります。形を保てる置き方を選び、直射日光や高温を避けてください。いつものブーツに合う扱い方が分からない場合は、素材や長さを添えてご相談いただけます。
次の一歩を、気持ちよく迎えるために
相談時は、左右の全体、靴底、内側、気になるカビやシミ、素材表示を撮影してください。使用年数、においが気になり始めた時期、ご自宅で使ったクリームや洗剤も分かる範囲でお知らせください。情報がそろうと、必要な確認を具体的に進められます。
シーズンが終わったときはもちろん、長くしまっていた一足を履く前に相談することもできます。素材や状態で対応・納期は変わりますので、旅行などの使用予定がある方はお早めに。大切な靴をまた選べるよう、一足の今に合わせてご案内します。
靴箱へしまう前に、よくあるご相談
Q.すでにカビがあるブーツも相談できますか?
はい。発生箇所と素材、保管状況をお知らせください。洗浄しても変色や傷みが残る場合があるため、現物を見て対応を判断します。
Q.ムートンの内側のにおいが気になります。
ボアと中の状態を確認し、洗浄や乾燥の方法を検討します。においの原因や素材の劣化によって、改善できる範囲は異なります。
Q.補色や靴底の修理も必要かもしれません。
気になる箇所の写真をお送りください。洗浄で対応できる汚れと、補色・修理が必要な傷みを分けてご案内します。
次の季節も、お気に入りの一足で。
ブーツ全体、靴底、内側、気になる汚れやカビの写真と、素材・使用年数をお知らせください。
対応できる方法と仕上がりは、お品物の状態によって異なります。写真で判断できない点は、現物確認後にご案内します。
