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石けん洗濯のよくあるトラブル。解決方法はある?

天然石けんで洗濯をすることはナチュラル洗濯とも呼ばれています。
肌や環境にできるだけ優しい洗濯をしようと考えて実践している人も多くいますが、実際にやったことがある人の中には、「手間がかかりすぎて続けられない」「トラブルが多くて合成洗剤にもどった」という人も少なくありません。

ここでは、石けん洗濯のよくあるトラブルとその原因、石けん洗濯を成功させるためのポイントをご紹介します。

 

目次

石けん洗濯はなぜ難しいの?

石けん洗濯生活をやってみたけど、ハードルが高すぎて続かなったという人は本当に多いです。
でも「できてる人もいるのになんで自分にはできなかったんだろう?」などと思う必要は全くありません。

合成洗剤は洗濯機に適量の洗剤を入れるだけで衣類をうまく洗えるように作られています。
しかし石けん洗濯には手順があって、合成洗剤のように洗濯機に入れるだけではうまくいきません。石けん洗濯はそういうものなのです。

これは逆に考えれば、付き合い方を知れば失敗もなくなるということになります。
石けんと上手に付き合えれば毎日の洗濯がきっと楽しくなるはずなので、ぜひチャレンジしてみてください。

 

石けん洗濯のよくある失敗・トラブルと原因

石けん洗濯の悩み
今までにとても多くの人が石けん洗濯に挑戦して、そして失敗しています(笑)
こういった失敗は逆に多くの人の石けん洗濯ライフを成功に導いているので、まさに失敗は成功の母ですね。
皆さんのよくあるトラブルと、その原因を確認してみましょう。

 

洗濯石けんが溶けない・石けんカスが衣類に付着する

これは粉末タイプの洗濯石けんに本当によくあるトラブルです。
石けんが洗浄効果を発揮するためには泡立つまで水に溶かさなければいけないのですが、洗濯機に衣類を入れて、石けんを入れてスイッチオンだけでは十分な泡はできないのです。

汚れを落とした後の石けん水は、成分が残らないようにしっかりとすすぎをする必要があります。すすぎが足りないと衣類に石けんカスがついてしまいます。

なお、溶けにくいからといって規定量よりも石けんの量を減らすのはやめましょう。汚れが落ちにくくなって別のトラブルが発生してしまいます。

 

洗濯物が油臭くなる

石けん洗濯の臭い
洗濯物が乾いた後やクローゼットを開けた時に、油のような臭いがすることがあります。
この油臭さの原因は、衣類に残ってしまった石けんが酸化したことによるものです。
酸化は時間の経過によって進んでくるので、洗ってすぐよりも乾いて時間が経ってからの方臭いが強くなってしまいます。

 

衣類が黒ずんでくる・黄ばんでくる

黄ばみと黒ずみ、色は違いますが実は原因は同じで、汗や皮脂が落ちきれていないことです。

汗や皮脂が衣類に残っていると黄ばみの原因になります。この汚れに空気中の埃などが付着すると黒ずみになります。
石けん洗濯において注意したいのは皮脂汚れです。
汗は水溶性の汚れなので水である程度落ちますが、皮脂はアブラなので水だけでは落ちません。
石けんがしっかり泡立って天然の界面活性剤が働かないと落とせませんし、洗濯機の中で水中に溶けたはずの汚れが衣類に戻ってしまうことになります。

また、石けん洗濯の場合は、洗濯に使った石けんが原因で洗濯物が黒ずんでくることがあります。なぜなら、石けんそのものが動物・植物の油脂からできているから。
きちんと溶けていなかったりすすぎが少ないと、洗えば洗うほど黄ばみ・黒ずみが発生して、さらには石けん成分が酸化して油臭も発生することになるのです。

 

石けん洗濯を成功させるカギ

石けん洗濯の方法
石けん洗濯のよくあるトラブルを見ていると、毎日のお洗濯に取り入れるにはとてもじゃないけど無理・・・と思えてくるかもしれません。
しかし、トラブルを防ぐために重要なことは5つだけです。
石けん洗濯成功には「石けんを上手に泡立てて、きちんと流しきる」ということがとても重要で、そのために必要なポイントが5つなんです。

 

大切なこと1:水ではなくたっぷりのお湯を使う

すごく単純なことですが、石けん洗濯では水ではなくお湯を使いましょう。たったこれだけで溶け残りも軽減しますし、汗や皮脂汚れなどの臭いの元となる汚れも格段に落ちやすくなります。

お湯が必要なのは洗うときだけなので、お風呂の残り湯でも大丈夫です。
ただし、残り湯に汚れが浮いているような状態ならその時は新たなお湯を使うようにしてください。

また、石けん洗濯では水量を少なくしすぎるのはよくありません。
洗濯の基本は汚れを水に溶かして流すということなので、単純に水量が少ないと汚れが溶けきれず服に残ります。特に少ない水量で洗うドラム式では水量を上げるようにしましょう。

 

大切なこと2:「泡立て」を意識して石けんの効果を発揮させる

合成洗剤洗濯では衣類を洗濯機に入れた状態で洗剤を入れて常温の水で洗っている人も多いと思いますが、この方法は石けん洗濯には向いていません。
普段手を洗うときや体を洗うときも、石けんは泡立ててから使いますよね?
石けんの泡には天然の界面活性剤が含まれています。この天然界面活性剤の働きで皮脂汚れもスッキリ落ちるので、事前にきちんと泡立てておく必要があるのです。

縦型洗濯機の場合は、石けんとお湯を低水位まで入れて回転させます。小さな泡がモコモコとできたら洗濯物を入れて必要量のお湯を入れましょう。

ドラム式の場合はお湯と水の混合栓であれば最初から衣類・必要量のお湯・石けんを入れてしまいます。
満水になったら一停止をして、お湯に石けんが溶けるのを待ちます。
時間の目安は、普段着、バスタオルなら15分程度から様子を見てください。

水しか出ない場合は、洗濯機に衣類を入れる前にお湯でつけ置き洗いをすると効果的です。
同じく15分くらいつけ置きをした後に、洗濯機での洗濯をします。

 

大切なこと3:つけ置きも活用しましょう

ドラム式ではつけ置きをすることをご紹介しましたが、縦型もつけ置きを行いましょう。
お湯を注いだら15分程度そのままにしてつけ置きをします。汚れを緩めてお湯に溶かすようなイメージですね。
つけ置きをしてから洗うことでさらに衣類の汚れも落ちやすくなります。

 

大切なこと4:すすぎは2回!1回では足りません

洗濯のモードはお使いの洗濯機によって異なりますが、すすぎが2回できるような方法で洗いましょう。
ちなみに、一般的に「標準コース」ではすすぎが2回行われます。

すすぎはお湯ではなく水で大丈夫なのですが、回数は重要です。
衣類に石けんを残さないためにも必ず2回行ってくださいね。

 

大切なこと5:石けんの仲間にも頼ろう

「石けん洗濯で使って良いもの天然の石けんだけでしょ?」と思い込んでいる人もいるかもしれませんが、もっと柔軟に考えて大丈夫!
むしろ石けん洗濯を成功させるためには、石けんの仲間の力も借りましょう。

次に、石けん洗濯を始めるにあたって用意しておきたいものをご紹介します。
(多分、ご自宅にあるものばかりだと思いますよ!)

 

石けん洗濯を助けてくれる3つの仲間

石けん洗濯
メインとなる洗濯石けんは「石けん」と書かれているものであれば、粉末でも液体でもどちらを使っても構いません。
液体石けんであれば溶け残りの心配はいりません。ただ、粉末と比べると価格が上がります。

また洗濯用の石けんにも種類があり純石けんの他に炭酸塩(アルカリ)が添加されているものもあります。洗濯にはこちらの方が失敗しにくいという声もありますが、重曹・クエン酸でpHを調節すれば純石けんでも大丈夫です。

 

重曹

衣類の汚れはほとんどが酸性の汚れなのですが、酸性が強いと石けんの泡立ちを維持しにくくなります。
石けんだけで酸性の汚れもしっかり落とそうと頑張りすぎると大量の石けんが必要になりますし、すすぎも大変になります。
重曹には水質をアルカリを変える性質があるので、酸性の汚れを中和させるために重曹を用いるのです。

重曹は冷たい水には溶けないので、重曹を使う場合はお湯で洗うようにしましょう。

 

クエン酸

クエン酸は2回目のすすぎの時に使いたいので、洗濯槽ではなく柔軟剤ポケットに入れて使います。
目的はアルカリ性の汚れを落とすこと。
水アカや石けんカスはアルカリ性の汚れなので、仕上げにクエン酸を使うと中和することができます。
石けんカスが衣類に付着することで発生するトラブルの防止にもなります。

 

酸素系漂白剤(過酸化ナトリウム)

酸素系漂白剤には強力な除菌効果があります。雑菌をやっつけて臭いの発生を抑えてくれます。
石けん洗濯においては漂白のために使うわけではないので使用量に注意してくださいね。

なお、酸素系漂白剤の中には合成界面活性が含まれているものもあります。せっかくナチュラルな石けん洗濯を始めるのであれば、合成界面活性剤が使われていないものにこだわって選ぶのもアリですね。

 

それぞれの使用量は?

「ナチュラルお洗濯大全(本橋ひろえ著)」には、石けん:重曹:酸素系漂白剤は「1:3:1」の割合が黄金比として紹介されています。
水30リットルなら石けん大さじ1と2分の1:重曹4分の1カップ:酸素系漂白剤大さじ1と2分の1です。クエン酸は小さじ1を使います。
比率は1:3:1で、あとは汚れ具合や水量に合わせて調節をします。
ちなみに「ナチュラルお洗濯大全」は223ページにわたって石けん洗濯について詳しく書かれているので本当に参考になりますよ。

 

気軽に挑戦してみませんか?

石けん洗濯
毎日のお洗濯だからこそナチュラルに!と考えるのはとても良いことです。
家族の健康にも、家庭から出る排水による環境への影響にも配慮できるので素晴らしい洗濯の方法です。

しかし、石けん洗濯は洗剤を入れてスイッチオンというわけにはいかず、洗濯にかかる手間と時間は合成洗剤よりも少し増えてしまいます。
また、家族のことを思って一生懸命頑張っていても、家族からは「いい匂いがする柔軟剤を使って欲しい!」とか「もっと真っ白に洗って!」などとリクエストされることもあるかもしれません。
いくらナチュラルな洗濯がしたくても、体操服が黒ずんでいるとか、ワイシャツが油臭いとなると、それは無視してはいけない問題です。

洗濯は毎日行う家事のひとつなので、負担が大きいと継続が難しく、結局合成洗剤に戻るということになるでしょう。
最初はあまり難しく考えずにできることから始めてみれば良いのではないでしょうか。
合成洗剤を使っていて特にトラブルがないのであれば「なるべく合成洗剤の使用を減らす」だけでも良いですし、最初から完璧な石けん洗濯を目指さなくても良いと思います。
できることから始めてみて、楽しみながら続けられると良いですね。

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