押し入れの奥から久しぶりに取り出したぬいぐるみ。なんとなく薄くなった気がする、ペタンとしてきた。
そう感じたことはありませんか?
よく見ると、ほつれた縫い目の隙間からのぞく茶色い綿。それは通称「ウレタン綿」。綿ではなくスポンジです。白いポリエステル綿とは違い、スポンジ(ウレタンフォーム)は年月とともに変色しながら劣化し、放置することでトラブルが起こります。

でも、あきらめる必要はありません。この機会にぬいぐるみの中綿や生地の状態をチェック、必要に応じた修理をすることで、さらに一緒にいられる時間をのばすことができますよ。
なぜ古いぬいぐるみにはウレタン綿が入っているのか
1960〜80年代に製造されたぬいぐるみの多くには、詰め物として「ウレタンフォーム」が使われていました。当時はポリエステル綿よりも安価で量産に適していたため、国内外を問わず広く使われていた素材です。

しかしウレタンフォームには大きな弱点があります。それは「加水分解」。
空気中の水分と長年かけて反応し、分子レベルで分解が進むという性質です。特に日本のような高温多湿の環境では、この劣化が一層加速してしまいます。
製造から40年以上が経つ現在、1980年代以前のぬいぐるみのウレタン綿は、すでに寿命を迎えているものがほとんどです。
「洗えばきれいになるはず」・・・ちょっと待ってください
汚れや臭いが気になると、ぬいぐるみを自宅のお風呂やシャワーで洗ってしまいたくなりますよね。でも、ウレタン綿が入ったぬいぐるみの水洗いは、修復できないダメージを引き起こすことがあります。
水洗いで起こりうるリスク
- 劣化したウレタンは水分に極めて弱く、洗濯で一気に崩壊することがある
- 表面が乾いても内部は何日も湿ったままになり、カビが発生するリスクがある
- 崩れた綿が縫い目から漏れ出し、形が元に戻らなくなることがある
実際に相談を受けた例では、ウレタン綿が原因で、自宅で洗ったが一向に乾かない、茶色い粉がぬいぐるみから出る、白い生地が茶色く染まってしまったという話もあります。
デアでは、これらのぬいぐるみは上質な白いポリエステル綿に中綿交換してお客様にお返しします。
大切なぬいぐるみほど、まず「中綿の状態を確認すること」が先決です。心配な場合はひとまずお問い合わせください。
実際の修理事例:中綿交換でここまで変わりました
職人の手によって修理、元気になって、おうちへ帰っていったぬいぐるみたちをご覧ください。
事例① おさるのぬいぐるみ(1980年代製)

修理前

修理後
首元にホツレがみられ、ウレタン綿が見えていました。
また、お顔にも、ところどころ生地が薄くなっている箇所がありましたので、内側より生地補強を行っています。
生地が薄くなっていた鼻については、一度、鼻のパーツの金具を取り外し、生地を張り替えて付け直しています。
修理詳細
中綿交換、縫い閉じ(右目横、両目間、両手先、首)、生地補強(右目横、両目間、首)、留具取り外し+付け直し(鼻)、素材張替え(鼻)
事例② コアラのぬいぐるみ(1990年代製)

修理前

修理後
首、両腕の付け根、右足付け根、右足爪付近のほつれの補修と、生地が弱くなっている箇所に内側から生地補強。また、おでこの毛が薄くなっていたところに植毛をしています。
洋服は元々着ていたお洋服を似た雰囲気で新しいものを作り直してほしいとリクエストいただき、作成しました。
修理詳細
中綿交換、生地補強(正面首回り、両腕付け根)、縫い閉じ(正面首回り、両腕付け根、右足付け根、右足爪付け根)、点留め(両耳)、植毛(額)、毛並み再生ブラッシング、作り直し(洋服)
事例③ いぬのぬいぐるみ

修理前

修理後
鼻周りの破れと、お腹に2~3cmの破れがあるとのことでご相談いただいていました。
元の状態の写真等がないため、鼻の形状については修理の際にご相談。
欠損しているマズル部分を作り直し、鼻のパーツを新しく付けました。
修理詳細
中綿交換、作り直し(マズル)、新品交換(鼻)、縫い閉じ(お腹、後ろ首) 、毛並み再生ブラッシング
職人の手仕事だから、できること

機械では再現できない、丁寧な手仕事にこだわっています。
- 劣化したウレタン綿をしっかり取り除き、生地を傷つけない
- 高品質なポリエステル綿を使用し、お客様のご希望(ふっくら感・硬さ)に合わせて詰め具合を調整
- 元の形を確認しながら、シルエットができる限り元通りになるよう仕上げる
- 縫い合わせは職人が手縫いで対応し、生地の風合いを損なわないよう配慮
実家にあったぬいぐるみを孫や姪っ子、甥っ子が「気に入ってしまったのでキレイにしてほしい」とご相談いただくこと、実はたくさんあります。
その時代ならではのフォルムだったり、特別なオーラだったり・・・愛されてきたぬいぐるみには、独特の可愛らしさが宿っていると思うのです。
ぬいぐるみはひとつひとつ形も素材も違います。量産的な修理ではなく、その子だけに向き合う仕事をお約束します。
全国どこからでもご依頼いただけます
「近くに修理できるお店がない」「遠方で持ち込めない」・・・そういったお声をよくいただきます。ご安心ください。
全国どちらからでも、宅配でご依頼いただけます。
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| ① ご注文 | ご注文フォームにてぬいぐるみの状態・ご希望をお知らせください。 |
| ② 発送 | ぬいぐるみの送付先をご案内します。大切なぬいぐるみを梱包してお送りください |
| ③ お見積もり・料金案内 | 状態確認後、ぬいぐるみのクリーニング料金と検品結果をご提示。作業を開始します |
| ④ クリーニング | ぬいぐるみの状態にあわせてひとつひとつ丁寧にクリーニングし、しっかり乾燥。 |
| ⑤ 修理の検品・お見積り | 修理工房に移送後、改めてぬいぐるみの状態を確認。クリーニングと修理内容を合わせた料金をご提示 |
| ⑥ 修理 | 職人がご希望を確認しつつ作業。修理にはクリーニングがセット(必須)となります。 |
| ⑦ お届け | 修理完了後、丁寧に梱包してご返送します。 ご対面をお楽しみに |
よくあるご質問
- 外側の生地も汚れているのですが、クリーニングも一緒にお願いできますか?
-
はい、当店では中綿交換にはクリーニングがセットで必須となっております。古いぬいぐるみの内部には長年の汚れや雑菌が蓄積していることが多く、中綿交換と同時にクリーニングを行うことで、清潔で安心な状態に仕上げることができます。
- 元の形やふっくら感にこだわりたいのですが、対応できますか?
-
もちろんです。綿の量や硬さはお客様のご希望に合わせて調整いたします。「昔はこんな感じだった」というお写真があれば、ご参考にさせていただくこともできます。
- ぬいぐるみが壊れそうで怖くて、梱包できるか不安です。
-
梱包方法はご案内しますのでご安心ください。崩れやすい状態のぬいぐるみも、適切な梱包方法があります。不安な場合はお問い合わせフォームにてご相談ください。
- 修理にはどのくらいの期間がかかりますか?
-
状態や作業内容によって異なりますが、お見積もりの際に目安の納期をお伝えいたします。お急ぎの場合はその旨をお知らせください。
あのころの姿にもう一度
「捨てられない」には、理由があります。
長年一緒にいてくれたぬいぐるみだからこそ、丁寧に直してあげてください。
写真を送っていただくだけで、概算案内が可能です。










