ぬいぐるみがハゲちゃった!
なぜか部分的になくなるぬいぐるみの毛
ぬいぐるみの修理をたくさんやっていると、部分的にハゲてしまっているぬいぐるみがいかに多いか驚く程です。
やはり、大切なぬいぐるみはみなさん一緒に寝てたり抱っこしたり触れ合う機会が多いのでスレによってハゲてしまうのかもしれませんね。
今日は、そんなぬいぐるみの植毛修理のビフォーアフターをお届けします。
直接植毛出来る部分とそうでない部分
ペンギンのビフォーをご覧になると分かるように、お腹の部分の目の横に穴が空いてしまっています。
穴が空いている部分は毛がありませんが、穴が空いたまま植毛することはできません。
人間の髪の毛を考えてもらえば分かると思いますが、毛根があってこそ毛が生えます。
毛根がなければ毛は生やすことができませんよね?
そのため、穴が空いている部分は裏から生地補強をすることで毛を生やす土台が出来るということなのです。
フロント部分で植毛をしているのは、左目横、お腹の真ん中縦一直線、穴の空いた部分になります。
ぬいぐるみのハゲやすい部分
バックのビフォーアフターを比べてみた時に、
「どこがどう変わったか分からないけど全体的に綺麗になったなぁ」
というような印象を受けるのではないでしょうか。
実は、バックもたくさん植毛をしています。
左側の縫い目部分がハゲてきてしまっているのがお分かりになるでしょうか?
縫い目部分は、抱きしめたり触れ合ったりした時にテンションがかかり毛が抜けてしまったりすることが多いのです。
また、縫い目が開いてしまったりすることも原因の1つとなります。
縫い目部分の植毛については、生地が弱っていなければそのまま植毛することが可能です。
それでは、具体的な植毛の方法についてご紹介していくことにします。
ぬいぐるみ修理箇所の探し方
ぬいぐるみの触診検品
デアの修理工房では、修理箇所と修理方法を選定するためにまずは職人が触診をします。
手で触らないと分からない、生地の劣化や破れ、毛の少なくなった部分を探していきます。
植毛箇所を探す場合は、一見しても分からない毛が少ない箇所がないかを丁寧に探すことで、持ち主の方も気づかないようなハゲを見つけることも多くあります。
一箇所で考えるとわずかな大きさですが、そのわずかなハゲも植毛していくことで仕上がりが断然違ってくるのです。
ぬいぐるみの植毛修理の流れ
レッツ植毛!
植毛で一番大切なこと、それはぬいぐるみと違和感が出ない素材を見つけるということです。
たいていのぬいぐるみは、毛糸で植毛をします。
どんな色の毛糸が合うか、というのは完全にプロの技とはなってしまいますが、白いお腹の色は素人でも比較的簡単に見つかる色かもしれません。
まずは、ぬいぐるみになじむ色味かどうかを確認し、毛をほぐします。
次に違和感のない色の糸と使い、縫い付けていきます。
縫い付けによる植毛
デアの植毛修理は、2種類あります。
今回ご紹介している縫い付けの方法と、羊毛フェルトを作る時に使用する先端が鍵状になっているニードルを使用する方法です。
どちらの方法が最適かは、ぬいぐるみの素材や劣化程度によります。
ニードルは糸を使わずに植毛が出来るので、仕上がりに違和感が出にくいという特長があります。
しかし、生地の劣化が激しい場合や、素材の目が荒いものなどには使用できません。
その場合は、縫い付ける方法の植毛を施していきます。
植毛ができないぬいぐるみ
生地や、タオル地、毛足が短いぬいぐるみは植毛することができません。
植毛出来るのは、毛足が3mm以上あるものとなります。
植毛ができないぬいぐるみの場合は、生地交換で修理が可能です。
植毛の仕上げ作業
植毛した部分の長さをまわりとなじませるように、慎重にカットしていきます。
最終的に違和感なく綺麗なぬいぐるみに仕上げることが目標です。
そのために出来る企業秘密がいくつかあります。
それらをしていくことで、見違えるようにフサフサでフカフカのぬいぐるみに仕上がるのです。