前回は、醤油と食べるラー油のシミを「前処理+洗濯」で落とせるのか実験してみました。
ついてから時間が経っていないシミでしたが、どの洗い方でも「真っ白に落ちた」とは言いにくい結果になりました。
今回は、酸素系漂白剤と塩素系漂白剤を使ったシミ抜きにチャレンジしようと思います。
酸素系漂白剤には液体タイプと粉末タイプがある
酸素系漂白剤は液体酸素系漂白剤と粉末酸素系漂白剤の2種類ありますので、衣類と汚れの度合いによって使い分けるようにしましょう。
液体酸素系漂白剤は穏やかな効果になります。
衣類の匂いが気になる時にいつもの洗濯に使うだけでもスッキリさせることができます。
また、液体酸素系漂白剤は水洗いできる白物・色物・柄物の繊維に使用可能で、木綿、麻、化学繊維、毛(ウール)、絹(シルク)にも使えます。
「シルクのブラウスにお醤油がついちゃった!(涙)」みたいな時でも、ご自宅でシミ抜きができるのはすごく便利だと思います。
粉末酸素系漂白剤は、液体タイプよりも効果が強いと思っておきましょう。
40℃くらいのお湯でつけ置き洗いをするととても高い効果を発揮してくれます。
ただ、効果が高いということは、デリケートな繊維には使えないということになります。
粉末酸素系も水洗い可能な白物・色物・柄物の繊維に使うことができるのですが、シルク、ウールには使えません。比較的繊維が強い綿や化学繊維に使うようにしましょう。
液体酸素系漂白剤でシミ抜きにチャレンジ!
こちらが今回の実験に使うシミのついた布です。
綿100%の布に食べるラー油を染みこませてから応急処理をせずに半年以上経過しているので濃く変色しています。
当たり前のことですが、シミがついてしまった衣類をここまで変色するまで放っておいてはいけませんね・・・。
40℃のお湯に液体酸素系漂白剤を溶かして、シミのついた布を入れました。
この状態で30分つけ置きします。
効果が穏やかな液体酸素系漂白剤であっても、手でかき混ぜる時にはゴム手袋を着用するようにしましょう。
粉末酸素系漂白剤でシミ抜きにチャレンジ!
こちらが粉末酸素系漂白剤です。
粉末タイプは水に溶けにくいので、よくかき混ぜて完全に溶けたことを確認しましょう。
粉末酸素系漂白剤をよく溶かして、布を入れて軽くかきまぜました。つけ置き時間は30分です。
早くもシミの成分が浮き出ています。
どこまでキレイになるか楽しみです。
塩素系漂白剤でシミ抜きにチャレンジ!
塩素系漂白剤を普段のお洗濯で使うことは滅多にないかと思いますが、キッチンクロスや茶渋のついた湯のみなどをつけ置きしたことがある方は多いのではないでしょうか。
塩素系漂白剤は漂白力と殺菌効果が非常に高い漂白剤です。
効果は高いのですが、絶対に気をつけないといけない注意点もありますので使用時には気をつけて下さいね。
【塩素系漂白剤の注意点】
・酸素系漂白剤と混ぜないこと
・使用時には換気をすること
・使用時には手袋を着用すること
・色柄物には使わないこと
塩素系漂白剤は漂白力がとても高いので、衣類の染料まで脱色してしまうことがあります。
そのため色柄物に使うことはできないのですが、今回は塩素系漂白剤が柄をどれくらい落としてしまうのか実験してみます。
酸素系漂白剤と塩素系漂白剤は絶対に混ざらないようにして下さい。混ざってしまうと有毒な塩素ガスが発生して命の危険もあります。
注意事項を守って使用する分には安全なのであまり心配はいらないのですが、不安がある場合は塩素系漂白剤を使ったシミ抜きはやめておいた方が良いでしょう。
塩素系漂白剤を溶かした漂白液にシミのついた布を入れています。この状態で30分待ちます。
塩素系漂白剤を使用する場合は必ず換気をしましょう。手にはキッチン用のゴム手袋を必ず着用して下さい。
少しかき混ぜただけで漂白液の色が茶色っぽくなってきました。早くもシミが抜け始めているようです。
塩素系漂白剤はシミ抜きの効果が非常に高いのですが、その効果の高さから色柄の色素まで脱色することがあります。
色柄がどこまで残るのか楽しみです!
漂白剤でシミ抜きチャレンジ!結果発表!
それぞれのシミ抜き効果を確認してみましょう。
こちらは醤油のシミ抜き結果です。
こちらは食べるラー油のシミ抜き結果です。
液体酸素系漂白剤のシミ抜き効果は?
向かって左が醤油のシミ、右が食べるラー油のシミです。
液体酸素系漂白剤は効果が穏やかなので、様々な繊維に日常的に使うことができます。
しかし、強い漂白効果・シミ抜き効果はなく、付着して半年以上経過したシミには太刀打ちできなかったようです。
強いシミには向いていないことがはっきりわかりました。
粉末酸素系漂白剤のシミ抜き効果は?
液体酸素系漂白剤と比較すると茶色いシミが少なくなっていますが、まだまだ残っていますね。
「シミ抜きに成功した」とはとても言えない結果です。
塩素系漂白剤のシミ抜き効果は?
向かって左の醤油のシミはほとんど落ちたと言って良いのではないでしょうか。
右の食べるラー油のシミもかなり落ちていて9割以上は落ちました。
ところで、塩素系漂白剤は色柄まで脱色してしまうので、今回のような柄の入った衣類には使えないはずなのですが、塩素系漂白剤を溶かした漂白液に30分もつけていたにも関わらず、柄がバッチリ残っています。
でも、以前に塩素系漂白剤を使ってキッチンのタオルを漂白した時に、気がつかないうちにエプロンに漂白液が飛んでいて、その部分だけ色落ちしたことがあります。染料によって落ちるものと落ちないものがあるようです。
塩素系漂白剤は部分的に使うこともできる
塩素系漂白剤でつけ置きをした後もキャラクターの足の下にある黒い点のようなシミが残っていたので、塩素系漂白剤原液を綿棒で直接ぬって数分置いてみました。
シミが跡形もなく消えていることがわかりますね。
シミの周辺のぼんやりとオレンジ色に広がっていたシミも白くなっています。
これぞ塩素系漂白剤の効果です。
今回の実験でわかったこと(まとめ)
今回は、シミがついた布を応急処置もしない状態で半年以上保管してシミ抜き実験をしたので、どの方法でもスッキリと落とすことはできませんでした。
なるべく早い適切な応急処置がとても大切ということを痛感しました。
液体酸素系漂白剤は普段使いに便利
液体酸素系漂白剤は穏やかな効果なので、毎日のお洗濯に使っても衣類を傷めにくいと言われています。
シミ抜き効果は高くありませんでしたが、シミがついたその日のうちにシミに直接原液を塗布して洗濯をすると、比較的よく落とすことができます。
私はコーヒーや紅茶をシミにしてしまった時にはこの方法で落としています。
シルク・ウールに使うことができる唯一の漂白剤という意味でも、常備しておくと安心と言えそうです。
粉末酸素系漂白剤はしっかり漂白したいときに便利
今回は実験用のシミが濃すぎたために粉末酸素系漂白剤でもシミが残ってしまいましたが、本来はしっかりとした効果を発揮してくれる漂白剤です。
シルク・ウールには使えませんが、それ以外の水洗い可能な繊維には使用可能なので汎用性も高いですよ。
うちでは、ポリエステル100%のスポーツウェアや作業着、バスタオルなどを洗ってもなんとなくすっきりしないなーというときに、粉末酸素系漂白剤でつけ置きをして洗っています。
定期的にこれをやることでなんとなく黒ずんでいるような色も戻り、匂いも気にならなくなるので、高い効果があることを実感しています。
塩素系漂白剤は部分的に使うと良い
今回の実験では塩素系漂白剤がいちばん高い効果を発揮しました。
3つの中で最も強力な漂白剤なので想定内の結果なのですが、色・柄をしっかり残したままシミが落ちたことにすごく驚きました。
ただ、本来意図された使い方ではないので、「色柄にも使えます」とは言えません。私も黒い衣類に塩素系漂白剤がついてしまって、その部分だけオレンジ色に抜けたことがあります。
綿100%の白い生地であれば衣類のシミ抜きにも使えるのではないかと思います。
また、「酸素系漂白剤でシミが抜けなかったから、次は塩素系漂白剤で試してみよう」とステップアップのように使ってしまうと、生地にダメージを与える心配もあります。
シミの部分に少しだけ塗って様子を見て、シミが落ちたらすぐに洗い流すという使いであれば比較的ダメージが起こりにくく、シミを効果的に落とせると感じます。
ただし、塩素系漂白剤は取り扱いに十分注意が必要です。
パッケージに書かれている使用上の注意を必ず読んで、トラブルが起こらないように気をつけましょう。
シミでお困りの衣類はデアにご相談下さい
衣類にシミがついてしまったら、まずは応急処理を行うことがとても大切です。
今回のシミも適切な応急処置さえ行なっていればもっとよく落ちたのではないかと思われます。
シミは外出先で付着することも多いものですが、可能な限りその場で応急処置をして帰宅後はできるだけ早く酸素系漂白剤を使ってシミ抜きをしましょう。
どんなシミでも1分でも早く処理をすることで、生地ダメージを極力減らしながら落とすることができるので、シミに気がついたら少しでも早く処理をして下さいね。
ご自分でシミ抜きをすることが不安だったり、シルクやウールなどに濃いシミがついてしまったら、なるべく早くデアにご相談下さい。