無添加石けんで洗濯をしたことありますか?
石けん洗濯に成功している人は石けん洗濯が楽しくて仕方がない、石けん洗濯に慣れてからは毎日が快適という人ばかりですが、私は挫折している経験者のひとりです。
それでも、やっぱり家族のことや家庭から出る排水のことを考えると、上手に石けん洗濯ができるようになりたいものです。
天然石鹸で洗濯をしたことがある人はよーくご存知かと思いますが、石けん洗濯は合成洗剤のように洗濯機に石けんと洗濯物を入れてスイッチオン!というわけにはいきません。
そこで今回はより失敗しにくいと思われる方法で、石けん洗濯を試してみることにしました。
石けん洗濯のよくあるトラブルを防ぐことができるのでしょうか?
どうして合成洗剤よりも石けん洗濯が良いの?
石けんと合成洗剤、どちらも全自動洗濯機で使えるという点では同じですが、特性や仕組みは全く異なります。
合成洗剤に使われている合成界面活性剤はもともと自然界にない物質です。そのため微生物が対応することができません。
環境にも良くないですし、残留洗剤が人の肌に触れるとアレルギーの原因にもなります。
なるべくなら使わない方が良いという意識はみんなにあると思うのですが、合成洗剤ってホントに手軽なんですよね・・・。値段も安いですし。
石けんには高い洗浄効果と環境への優しさがある
石けんは洗浄力が弱いと言われることがあるのですが、宅配クリーニングのデアも100%天然石鹸で布団や絨毯をクリーニングしています。強烈な業務用洗剤などは一切使っていません。
布団に染み込んだ汗、皮脂、ペットのおしっこなども100%天然石鹸でさっぱり洗い上げていますので、石けんは洗浄力が弱いというのは先入観でしかないということを知っていただきたいです。
石けんの界面活性剤は環境に優しい天然の界面活性剤です。河川に流れても微生物が分解してくれるので自然界への負担もありません。
万が一洗濯物に石けん成分が残ってしまったとしても肌への心配はいりません。
私たちの肌は弱酸性で、石けんはアルカリで働くものなので、成分が残ったとしても肌の上で中和されるのです。石けんのリスクは合成洗剤とは比べものにならないくらい低いのです。
天然石けん洗濯のやり方は?
私は石けん洗濯で失敗したことがあるひとりなので、今回はちゃんと下調べをして、なるべく失敗しにくいと思われる方法で試してみることにしました。
ナチュラル洗濯の情報はネットにも溢れていますが、参考にしたのは「石けん洗濯のよくあるトラブル。解決方法はある?」でもご紹介した「ナチュラルお洗濯大全(本橋ひろえ著)」です。
この著者は化学製品を扱う会社で合成洗剤を作っていて、それからナチュラル洗濯を始めたという経歴の方。書籍ではご自身が持っている専門的な知識を基本、応用、Q&Aまで家庭の主婦にもわかりやすい言葉で丁寧に説明しています。
ステップ1:石けん・重曹・過炭酸ナトリウム・クエン酸を計量する
今回は、洗浄成分の石けんの助剤として重曹・過炭酸ナトリウム・クエン酸を加えて洗濯をしてみます。
それぞれの使用量はこちらです。(水は30リットル)
石けん | 大さじ1と2分の1 |
重曹 | 4分の1カップ |
過炭酸ナトリウム | 大さじ1と2分の1 |
クエン酸 | 小さじ1 |
カップの中には、石けん、重曹、過炭酸ナトリウムが入っています。
クエン酸は石けんを中和する働きとして使用するので、柔軟剤ポケットに直接入れます。
ステップ2:石けんと温水を洗濯機に入れて洗濯機を回す
石けんはお湯で泡立ててから使用します。と言っても泡立て器などでぐるぐるする必要はありません。洗濯機のパルセーターが回転する力に任せれば理想の泡ができます。
洗濯槽に石けん・重曹・過炭酸ナトリウムを直接入れて、クエン酸は柔軟剤ポケットに入れました。
石けんを溶かすためのお湯を注いでいます。
うちの洗濯機の水栓は水とお湯が出る混合栓ではないので、洗面台からお湯を注いでいます。
洗濯には30リットル使う予定ですが、ここではパルセーターが回るための最低量を入れます。
勢いよくシャワーのお湯を注いでも石けんの泡はほとんどできていないのがわかります。
お湯を最低量ためて、洗濯モードを標準にして5分くらい回した状態がこちらです。
ほとんど透明だったお湯が乳白色になって泡もできています。この状態になったら洗濯物を入れてから必要量のお湯を入れます。
私は再度洗面台のシャワーでお湯を注ぎました。
注水が完了した状態では泡が消えますが問題ありません。
ステップ3:とても重要!つけ置きをする
洗濯物を入れたら、つけ置きをします。
つけ置き時間は汚れ具合によりますが、日常の軽い汚れ程度なら15分くらいで大丈夫です。
洗濯物が浮いていたら手でギューっと押し込んで、せっけん液が洗濯物に行き渡るようにします。
このつけ置きはとても大事な時間なので、必ず行いましょう。
ステップ4:洗い→すすぎ2回!
つけ置きが終わったらいつも通り「洗い」をして、「すすぎ」は必ず2回行います。
すすぎは水で大丈夫なので、ここからは洗濯機に任せることができます。
すすぎは「ためすすぎ」ができるとさらに良いようですよ。すすぎの方法なんて気にしたことない!という人も多いと思いますが説明書に記載されています。
うちの場合、標準コースは「シャワーすすぎ(注水すすぎ)1回」+「ためすすぎ1回」の合計2回で、念入りコースが「ためすすぎ2回」だったので、念入りコースで洗ってみました。
こちらはつけ置き中の状態です。
石けんがよく溶けていてお湯が白く濁っていますね。ここに衣類の汚れが溶け出していると思うと、がんばれ〜!と応援したくなります。
こちらはためすすぎが1回終わった状態です。
洗濯機を一時停止して満水の水の中に手を入れてみたのですが、手のひらが完全に透けるほど水が透明になっていますね。
もう1度ためすすぎをやって、脱水したらお洗濯完了です!
石けん洗濯をやってみた感想は?
洗濯物の洗い上がりについて
まず汚れ落ちですが、石けんでもしっかりと汚れは落ちています。
1日はいた靴下、汗を吸ったスポーツウェアなどもスッキリと洗えていますし、気になる臭いもありません。
こちらは洗いあがったばかりのバスタオルです。石けんカスはありません。
石けんカスがついていたら目立ってしまう黒い衣類にも残りカスはありません!
今日は雨だったので洗濯物は部屋干しでした。
まだ濡れている状態の洗濯物を匂ってみると、かなりうっすら石けんの匂いはしますが、鼻を洗濯物に近づけてくんくんしないとわからない程度です。
今も私の後ろでは洗濯物がサーキュレーターの風に揺られていますが、漂ってくる風も無臭と言ってよいくらい匂いはありません。
これはお湯の温度と助剤などの効果で石けんがちゃんと溶けてすすぎもできているということと、洗濯槽を塩素系漂白剤で掃除をしたことも功を奏していると思います。
いつも柔軟剤は使わないのですが、乾いた後の洗濯物はいつもよりもふんわりしているような気がします。
これはバスタオルをたたむ時に気がつきました。手にとってたたんでいる時に「あれ?バスタオルの肌触りが優しい!」と思ったんです。毎日触れているものなので勘違いではないと思います。
翌日、再度匂いを確認してみると、うっすらと石けんの匂いはしますが、油っぽい感じはしません。部屋干しの匂いもありません。
いつでもこのコンディションで洗うことができたら、成功と言って良いと思います。
今まで石けん洗濯でこんなの上手に洗えたことはなかったので、洗い上がりの満足度はかなり高いです。
石けん洗濯の手間はどうだった?
今日は本を片手に計量スプーンと計量カップで石けん、重曹、過炭酸ナトリウム、クエン酸を計量したので、計量だけで5分ほどかかりました。
毎日のお洗濯にこの手間をかけるのはちょっと面倒だと感じますが、工夫次第でどうにかなると思います。
「石けん+お湯」だけで洗濯をする方法もありますが、以前失敗したことがあるので、私には助剤を使う方が簡単でした。
石けんの量を減らせるのでコスパも良くなるように感じます。
いちばんの問題はお湯の確保です。
お風呂の残り湯でお湯取りができればもっと簡単なのですが、夜に洗濯できない日もありますし、シャワーだけの日もあります。
洗濯機の水栓を混合栓に付け替えるのは大工事になるので、そう簡単にはできません。
うちの場合は洗面台のシャワーホースをもっと長くできればそれがいちばん簡単な解決法なので、検討してみようと思いました。
こういったことは自分だけで頑張るのは大変なので、家族にも協力してもらえると良いですね。
合成洗剤よりも時間がかかるのはどうだった?
泡だてのために洗濯機を5分回して、つけ置き洗いをする時間もあるのでタイマーは必須です。
朝の何かと忙しい時間帯に待ち時間があるのはどうかなーと思っていたのですが、実際にやってみると「次の行程までにあと5分!」「あと15分!」と頭の中でわかっているので、タイマーが鳴る前に別の家事を終わらせようと自然と体が動きます。
今回使った石けんは洗濯用となっているのですが、成分は「純石けん分(99% 脂肪酸ナトリウム)」のみなので色々なことに使えます。石けん、重曹、クエン酸でナチュラルクレンザーを作って、待ち時間の間にお風呂掃除ができました。
効率良く家事ができたことに、満足感と達成感があります。嬉しい副産物です。
石けん洗濯にはメリットがいっぱい!(まとめ)
今回は、石けん洗濯を始めるにあたって、衣類の汚れとは?石けんの特性とは?そもそも洗濯とは?ということをお勉強してから挑みました。
学んだことを実践してみると、水と粉末石けんを洗濯槽に入れて、あとは洗濯機任せという方法では失敗するのは当たり前ということがよーくわかりました。
石けんと助剤の量を調節しながら何度か石けん洗濯をやってみましたが「石けん+水」だけの洗濯に比べると洗い上がりが全然違います。石けんカスもつかないし、油臭くもありません。
仕組みを知ると、汚れの種類や衣類の素材が変わっても上手に石けん洗濯ができるような気がして、ちょっとだけナチュラル洗濯の自信がつきました。安心・安全な洗濯をしていることが楽しさにも繋がってきます。
ちょっとでも興味がわいたら、ぜひ試してみてくださいね!