喪服・礼服のクリーニング。なぜ料金が高くなるの?


喪服・礼服をクリーニングに出そうと思ったら、いつものスーツよりも3割増しほど料金が高くてちょっと納得がいかない!

これってどうしてなのでしょうか?
喪服・礼服のクリーニング料金がスーツよりも高い理由を宅配クリーニングのデアがお答えします。

目次

「喪服」と「礼服」ってどう違うの?

最初に喪服・礼服の違いですが、フォーマルな場で着る服やお葬式で着る服を礼服と言ったりしますし、お葬式、お通夜、法事で着る洋服は喪服とも言いますよね。
喪服と礼服はどう違うのでしょうか?

結婚式は礼服?
お葬式は喪服?

答えは、礼服は冠婚葬祭全般で着用するフォーマルウェアの総称、喪服は冠婚葬祭の葬(または葬祭)で着用する礼服のことになります。

ちなみに冠婚葬祭の意味はこちらのとおりです。

冠…元服。昔の日本で行われてきた成人を迎える儀式
婚…結婚式
葬…お葬式
祭…先祖の祭礼や感謝、祈りをささげる儀式。法事、法要、お盆、お正月、お彼岸など

なぜ喪服・礼服のクリーニング料金は高いの?


喪服・礼服をクリーニングに出すと、いつものスーツクリーニングより料金が高くなっていることが多いかと思います。
このことに「スーツのクリーニングと同じなのにどうして高いの?」と疑問に思っているお客様もいらっしゃいます。

なぜ価格が高くなってしまうのか、その理由は、喪服・礼服が特別な衣類になるからなんです。

喪服・礼服だけで洗う必要があるから

クリーニング店の多くが「標準」のクリーニングに加えて「ハイクラス」クリーニングコースを用意していますが、喪服・礼服のクリーニングは標準がハイクラスのクリーニングになるんです。
なぜかというと、喪服・礼服が特別な生地でできている特別な衣装だから。

喪服と黒いスーツを比べてみるとすぐにわかるのですが、喪服は光沢が無い漆黒の生地が使われています。一般の黒い生地と染め方が違うので、光に当たっても灰色っぽく色がすすけることがありません。
深く染め上げられている喪服・礼服を他の衣類と一緒に洗ってしまって、万が一汚れ移りや色移りが発生すると大変なので喪服・礼服は他の衣類とは洗わないようにしているのです。
この手間がかかる分だけ、料金も上乗せされているとお考え下さい。

長期保管に耐えられる仕上げが必要だから

喪服・礼服は、年に1回も着ないかもしれません。
もう何年も喪服・礼服に袖を通してないという方もいらっしゃることでしょう。

しかし、着用が必要なケースが突然やってくることもありますし、着なければならないときには完璧な状態でなければいけません。
そのためお店にもよりますが、喪服・礼服クリーニングには防カビ加工、防虫加工などの通常はオプションとして有料になっている加工がセットされていることもあります。

また、いつもの洋服はビニールのカバーをかけてお届けするクリーニング店でも、喪服・礼服は特別に不織布カバーをかけてお返ししているところもあります。
これも喪服・礼服の品質を守るためです。

喪服・礼服は、クリーニングでただ「洗う」だけでは足りない衣類でありオプションが必要になることから、スーツ類よりも価格が高くなっているという理由もあります。

アイロンが手作業になるから

テレビで見たことがある方もいらっしゃるかもしれませんが、クリーニング店にはワイシャツ専用のプレス機(アイロン)や、ジャケットに自動的にアイロンをかけることができる人型の人体プレス機などがあります。
特にご注文数が多いワイシャツやスーツを早く美しく仕上げる他ためにマシンを利用するのです。

しかし、喪服・礼服は特別な生地が使われているため、この自動アイロンを使うことができません。少しでもテカりがでたら品質が下がってしまうので、職人の手作業によるアイロンがけが必要なのです。

喪服・礼服のクリーニングはスーツクリーニングよりも高い品質と技術力が求められるこから、多くのクリーニング店が価格を上げざるを得ないことをご理解いただければ幸いです。

デアの喪服・礼服クリーニング料金は?


じゃあ、デアの喪服・礼服のクリーニング料金は一般のスーツクリーニングとどれだけ違うのかというと、実は同じなんです。
そのため、デアの一般衣類の料金表には「喪服・礼服」の項目がありません。

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男性用の喪服・礼服(スーツ上下)なら一般スーツと同じく「ジャケット(B分類)+スラックス(A分類)」の料金、女性用でワンピース+ジャケットなら、「ワンピース(C分類)+ジャケット(B分類)」の価格になります。(タキシードは別となります)

なぜデアの喪服・礼服クリーニングは料金を上げてないの?

なぜデアのクリーニング料金はスーツやワンピースのクリーニング料金と同じなのかというと、デアは大きな工場で1度にたくさんの衣類を洗うクリーニング店とは異なるから。

わたしたちは一般衣類も洋服の色、種類、素材に分けて小ロットでのクリーニングを行っていて、普段から1点ずつ手洗いクリーニングをすることもよくあります。喪服・礼服だけを特別な衣類とは考えていないのです。

職人によるアイロンも同じです。
このデアの広報室でも職人が手仕事でアイロンをかけている様子は何度もでてきていますが、わたしたちには自動アイロンだけが当たり前ではなく、普段から手アイロンで仕上げている衣類もたくさんありますので、喪服・礼服だからといってあえて料金を上げる必要がありません。

デアのレギュラークリーニング(標準コース)は他店のハイクラスやデラックスクリーニングと同等なのです。

カバーも通気性の良い不織布でお届けします


他店の喪服・礼服クリーニングでは喪服・礼服のお返し時にビニールカバーではなく特別な不織布カバーを使っているところもあるのですが、デアはハンガーでお届けしている衣類に関しましては、喪服・礼服だけではなく一般衣類も不織布カバーでお届けしまいます。

ビニールカバーはあくまでも簡易的なカバーであり、ご自宅での長期保管のためにおつけしているわけではございません。
ビニールカバーをかけたまま長期保管してしまうと、カビの発生、衣類の変色、匂いなどのトラブルが起こる原因になってしまいます。

インターネットの普及によってこのこともだいぶ知られてきたかと思うのですが、それでもビニールカバーをかけっぱなしで保管しているご家庭もあると聞きます。

デアの不織布カバーは表がビニール、裏面が不織布のドレスカバーです。でうっかりそのまま保管してしまったとしてもビニールによって密閉に近い状態になることはありません。カビなどの発生を極力抑えるために、レギュラー・デラックス・アクアすべてのクリーニングで不織布カバーを採用しております。

デアの喪服・礼服クリーニングにオプションは必要?

喪服・礼服に向いているオプションとしては、

・デアオリジナル撥水加工
・EM消臭加工

がございます。
撥水と消臭ですね。

喪服・礼服に撥水加工を施すメリットとしては万が一飲食物をこぼしてしまったときに、シミになりにくいということがあげられます。
また、雪が降る地域にお住まいの方で、冠婚葬祭も高確率で雪という場合も、完全ではありませんが特に男性は裾がビシャビシャに濡れることを予防できます。

ただ、着用するたびにクリーニングに出すなら、あえて撥水加工をつけることもないかな?とも思います。

消臭加工は、男性が礼服を結婚式とお葬式の共用にしているときに良いかもしれません。
お葬式で着用した礼服を洗わずに結婚式で着用して、万が一お線香の匂いが漂ったら・・・ということが無いように、あらかじめ消臭加工をしておくのはEM消臭加工の良い活用方法だと思います。

一般衣類も喪服・礼服のクリーニングと同等に仕上げてお届けいたしますので、安心してご依頼下さいね。
今度とも、クリーニングのデアをよろしくお願い申し上げます。

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