フック段通
手織り段通(絨毯)とほとんど変わらない風合いですが、手織りではなく1本針の電動フックガンを使って一針一針打ちつけて作られた絨毯です。
フック段通は、手織り絨毯と風合いが同じなので、ペルシャ絨毯や中国段通と見間違ってしまいます。手織りじゅうたんとの見分け方は、手織り絨毯は表の模様と裏がほぼ同じですが、フック段通の裏は白いコットンで裏張りされています。房(フリンジ)も後づけされたように、結ばれています。
織り段通・中国段通
段通とは手織り絨毯のことで、同じ手織りでも、中国で作られた絨毯とペルシャ絨毯を区別するために、中国段通と呼ばれています。大きな花柄が特徴。手織りはすべて房が付いています。
【中国段通ウール】
中国段通は、かつてフランスからの注文で作られていたので、フランス人好みの花柄が定着しました。
ペルシャ絨毯とはひと味違ったキメの細かい手織りに定評があります。
また、パイルを絵柄に沿って削りをいれ、立体感があるのも特徴です。
最近では花柄だけでなく、中国の伝統的なデザインやモダンな柄も登場しています。
中国段通のウールの特徴は、ペルシャや他のオリエント絨毯と違って、厚みがあってずっしりと重量感がありことです。
【中国段通シルク】
中国段通のシルクは、ウールのものと違って薄くなります。
ペルシャ絨毯と同じように、シルク独特の光沢があります。
毛並みを撫ぜるとその部分が深い色になって見えるのがシルクの特徴です。
シルク絨毯の房は細く、触ってみるとよられた糸のような感触です。
中国段通のウールとシルクの違いと見分け方は、ウールは厚くてどっしりと重い。
シルクはペルシャ絨毯シルクのように薄い。そして房(フリンジ)が、ウールはヒモのように太い。
シルクは糸のように細い。見れば歴然です。
手織り高級絨毯(ウール)
「手織り高級絨毯。特にイランで織られる高級なペルシア絨毯が有名です。トルコ、パキスタンやアフガニスタン、コーカサス地方、インドで生産される絨毯もあります。
シルクロードの遊牧民の暮らしの中から生まれたギャッベやキリムも含まれます。
【ギャッベ】
ウール素材。「羊・ヤギ」などの動物文様や樹木、太陽などをモチーフに素朴なデザインが多くあります。
似たものでキリムがありますが、キリムは平織りパイル(毛足)がなく平らです。
【ギャッベ】
草木染めの羊毛(ウール)で、中国段通やペルシャ絨毯と同じく手で織られています。
柄が民族的なカラフルなデザインである、目が少し粗い。ギャッベはすぐ見分けられます。
【キリム】
キリムとは、トルコ・アナトリア高原から中央アジアの広い地域に住んでいるチュルク族や遊牧民たちが織る、ウールの平織りです。「平織り」なので、表裏の模様が同じ。素材は羊毛(ウール)で、ふんわりとしたギャッベに比べて、平べったく少し硬い感じがします。
ギャッベとキリムの一番大きな違いは、ギャッベには毛足が有り、キリムには毛足が無い所です。ギャッベと同じく草木染めで、カラフルな柄ですが、キリムは幾何学模様が多いようです。
【ペルシャ】
裏地と表地の模様がほぼ同じで、織り目が細かいペルシャ絨毯。
絨毯の端の反り返りや丸まりを防ぐための革製のベルトが付いているものもあります。
【手織り絨毯とウイルトンカーペットの違い】
ウイルトンカーペットに、ペルシャ絨毯とそっくりなものがあります。
ウイルトンカーペットは、ペルシャ絨毯の風合いを出すために、似せて織られた機械織りカーペットです。
見分け方は裏を見ればわかります。ウイルトンは表の柄が透けている感じですが、ペルシャ絨毯の裏の柄はくっきりとしています。
ウイルトンは房が付いていないものが多く、ペルシャは必ず房がついています。
手織り高級絨毯(シルク)
最高級絨毯はなんといってもペルシャシルクです。ペルシャウールよりも薄く、キメが細かく、シルク独特の光沢があります。