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ボロボロなぬいぐるみの修理方法【作り直し】【生地補強】【植毛】

こちらのお猿さんを参考に、ボロボロに破損してしまったぬいぐるみの修理方法をご紹介します。

ペットの猫さんが気に入っていたそうで、かじったり引っ掻いたり遊んでいるうちに破けてしまったそうです。
ぬいぐるみの大きさは、頭から脚まで約30cmですので、猫さんが遊ぶには丁度良いサイズ感ですね。

猫さんも気に入っている大事なぬいぐるみを、デアのクリーニング&修理でお直しします。

目次

検品・お見積り

クリーニングを終えて修理工房へ移送されたお猿さんです。
お客様に同封いただいた注文用紙やメモを確認しながら、修理が必要な箇所を探します。

デアにやってくるぬいぐるみは、全て状態も形も異なるため、職人が実際に手に取って
一点一点検品
をすることで、適切な修理方法をご提案できるのです。

顎下から後頭部まで、生地がボロボロになり大きく破損しています。
手足や胴体には、ところどころ小さな穴を発見しました。

顔と胴体は比較的綺麗な状態のためそのまま残して、手足の小さな穴は、生地補強をしてから植毛を施します。

頭部は、破損が大きく生地も破れてしまっているため植毛ができません。
よって、頭部は似ている生地をお探して作り直す修理方法をご提案しました。

修理開始

①手足の生地補強

まず初めに、胴体から手足を取り外します。
中綿を取り出したら、広げて穴の位置を確認。

穴部分は、裏面から生地補強をします。
ぬいぐるみの色に合わせた生地と接着用の生地を合わせて接着芯を作ったら、裏面から穴部分にアイロンの熱で貼り付けます。

表面から見るとこのようになっています。
赤で囲ってある部分に、後ほど植毛を施していくのです。

手足の付け根部分も同様に接着芯を貼り付けます。
左側と右側を見比べると、見事ですね。

②頭部作り直し

お猿さんの頭は、中綿がほとんど残っておらずペシャンコでした。
元の形状がわからない場合は、形をイメージしながら綿を仮に詰めて頭部の大きさを決めます。

詰める綿の量によって頭の形が左右されるため、この工程は重要なポイントです。
頭部の大きさを決めたら、生地に丸みが出るように調節しながら新しい生地を合わせます。

今回は、お客様がもう1体同じぬいぐるみを送ってくださったため、そちらも参考にしました。

仮止め用のまち針にそって縫い付けていきます。
まち針についている鈴は、針がぬいぐるみの中に入り込んで行方不明にならないようにするための、プロの縫製職人にとって欠かせない道具なのです。

手縫いのプロは、「返し針」という縫い方をします。
一度針を入れたら、少し戻ってまた針を入れる。この繰り返しを行うと丈夫に縫うことができます。
使う糸もこだわっており、強くて丈夫なものを選んでいます。
今回使った糸は、プロの間で手縫い糸の代名詞と呼ばれる「シルコート20番」です。

ミシンでは難しい細かい部分もこれでバッチリ!
最初に直した手足を胴体に縫い付けて、全体的に中綿を詰めます。

③穴部分に植毛

②で裏から穴を補強しましたが、表からの見た目は十分ではないため、表に植毛を施します。

ぬいぐるみの生地と同じ色の素材を選びます。
質感や色がピッタリ同じものは中々ありませんが、今回は偶然にもよく似た毛糸がありました!

毛糸を束にしてほぐしたものを使って、レッツ植毛。

専用の針を使い、生地補強をした地盤まで針を入れて、しっかりと糸を埋め込んでいきます。
一見簡単に見えますが、違和感が出ないようしっかりと施すのは非常に難しく、熟練職人
のなせる業です。

※植毛したぬいぐるみは、大変デリケートな状態になっております。
圧力が加わると、型崩れや剥がれを起こす場合がございますのでご注意下さい。

毛を埋め込んだら毛並みを整えて・・・

完成

綺麗に直りました!
お猿さんも嬉しそうな表情をしていますね。

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