普段からバッグはリュックを愛用しているという人も多いことと思います。
もしリュックを背負っていることが多いなら、この機会に大切な衣類に毛玉ができていないかぜひチェックしてみて下さい。
毛玉ができる原因
毛玉は摩擦によっておきる現象です。
着用時や洗濯、保管時に生地同士が擦れると繊維が毛羽だってしまい、これが絡まって玉状になったものが毛玉です。
毛玉ができやすい素材とは?
毛玉ができやすい服としては、冬物のセーターやカーディガンなどがありますが、実はTシャツやスウェットでも簡単にできてしまいます。
毛玉ができやすい部位はどこ?
毛玉ができやすい部位は着用時に摩擦が起きやすいところです。
「襟まわり、わき、袖、ポケット周辺、ボタンホール、裾周り」などの布同士がこすれやすいところは摩擦がおきやすいのでこれらの部位には要注意です。
リュックで毛玉ができる?
リュックは重いものを持ちやすく両手を自由に使うことができてとても便利なバッグですが、毛玉ができやすい服との相性は良くありません。
リュックのショルダー(肩ひも)が当たる部分は服と摩擦を起こしていますし、常にリュックが当たっている背中部分にも摩擦がおこっています。
服と触れる面積が大きいために、毛玉ができやすくなってしまうのです。
リュックで毛玉ができた事例
こちらはナイロンパーカーにできた毛玉です。
フードのすぐ下の肩甲骨のあたりにできています。
リュックのショルダーストラップの付け根と擦れてしまって毛玉になったようです。
こちらは前身頃に毛玉があります。
通常ならこの部分に摩擦がおこることは考えにくく、毛玉ができることは少ないはずです。
なぜこんなにしっかりと毛玉になってしまったのかというと、リュックのチェストストラップによる摩擦です。
このナイロンパーカーはジョギングで使用していたもので、リュックを背負って走ったことで激しい摩擦が長時間おこってしまい毛玉ができてしまったのです。
こちらもパーカーの脇腹にできてしまった毛玉です。
ショルダーストラップとの摩擦で生地が傷んで毛玉になってしまいました。
ちなみにこの毛玉はたった1回、数時間リュックを背負っただけでついてしまったものです。
衣類によっては本当に摩擦に弱いものがあることはぜひ覚えておいて下さいね。
毛玉ができてしまったらどうすればいいの?
できてしまった毛玉を取る方法は、
・毛玉取り器をつかう
・ハサミでカットする
・T字カミソリで丁寧に取り除く
などがあります。
簡単なのは毛玉取り器ですね。
ただ、厄介な毛玉も元々は服の繊維です。
毛玉を取るということは繊維をカットするということになりますので、毛玉取りをするとどうしてもその部分の生地が薄くなってしまいます。
Tシャツなどの生地が薄い服に毛玉取り器を使うときは、油断しているとすぐに穴があいてしまいますので本当に気をつけて下さいね。
【実践】リュック毛玉を取ってみた
毛玉取り器を使って、リュック毛玉が取れるか試してみました。
【黒いナイロンパーカー】
・素材:ナイロン100%
ほんの少し毛玉が取れたことを確認できましたが、生地があまりにも薄すぎて毛玉取り器を当てることにとても不安がありました。
少しでも強く当てすぎたら穴が開いたりツレができてしまうと思います。
薄い生地の場合のコツは、できるだけシワを伸ばして生地をフラットにしながら毛玉取り器を当てることです。
▼ビフォー
▼アフター
毛玉は少しだけ取れましたが、生地の変質は残っています。
極薄のナイロンパーカーの毛玉取りはこれくらいが限界だと感じました。
【オフホワイトのパーカー】
・素材:ポリエステル95%、ポリウレタン5%
リュックと1回あわせただけで毛玉ができてしまったパーカーです・・・。
毛玉取り器を使うとみるみるうちに表面の毛羽がとれてきますが、同時に生地が薄くなっていくのもわかります。
▼ビフォー
▼アフター
思わぬところにできてしまったリュック毛玉は若干ならとることができますが、生地にダメージが残ることもあるということがわかりました。
冬のニットやトレーナー、スウェットよりも生地が薄い分だけ作業にとても気を使いますし、生地をダメにするリスクも高いと感じました。
毛玉ができてから対処しようとするよりも、なるべくできにくい方法を考えた方が良いでしょう。
リュック毛玉で悩んでいる人は多い!
インターネットでリュックによる毛玉のお悩みについて調べてみると、
「リュックを背負っていると朝家を出て帰宅する頃には毛玉ができている」
「リュックを背負うといつも腰のところに毛玉ができる」
「服とリュックがこすれて毛玉ができる」
「通学リュックを買ったけど、制服の腰の部分とリュックが擦れて服もリュックも毛玉になった」
などの声がたくさんみつかります。
街中を見渡すと、ザ・ノース・フェイスの定番バックパック「BCヒューズボックス 2」を背負っている学生を本当によく見かけます。
私服でもリュックを背負っている人は多いですよね。
リュックは重いものをしっかり支えることも考えてあるので、頑丈な生地で作られていることが多いものです。
質感も固めでどうしても摩擦がおこりやすいため、毛玉ができやすいのでしょう。
ショルダーストラップを長くするファッションもよく見かけますが、ストラップが長くなるほどリュックが揺れて摩擦も起こりやすくなります。
腰やお尻のあたりに毛玉ができやすい背負い方と言えそうです。
ショルダーストラップを片方の肩にかけてワンショルダーで楽しむスタイルもあります。
スタイリッシュでかっこいいのですが、いつも背負っている方(利き手側)に毛玉がたくさんできていたら、このワンショルダーがけが原因です。
リュック毛玉を作らない方法はある?
結論から言ってしまうと、リュックによる毛玉を100%防ぐ方法はありません。
リュック毛玉は摩擦でできるもので、摩擦をゼロにすることはできませんよね。
ただ、できるだけ毛玉を防ぐための工夫は可能です。
毛玉になりにくい生地を選ぶ
リュックと服の素材の相性によっては毛玉ができにくい組み合わせはあります。
例えばウール、アンゴラ、カシミアなどの天然は毛玉になりにくいようです。
ナイロンなどのツルツルサラサラした化学繊維も摩擦が起きにくいと言われていますが、写真の黒いパーカーがまさにナイロン100%ですので、感覚としてはナイロンだから摩擦が起きにくいとは言えないと感じています。
摩擦がおきにくい背負い方をする
なるべく服とリュックの摩擦がおきないように背負い方も考えてみましょう。
ショルダーストラップは短めにして身体に密着させると服とリュックの摩擦を抑える効果があります。
片方の肩に背負うとリュックが揺れて毛玉ができやすくなります。常にぶらぶらとぶら下がっている状態になるのでどうしても摩擦が起こってしまうのです。
かっこいい持ち方ですが、常にこの持ち方をするのはやめておいた方がよさそうです。
大事な衣類にリュックを合わせないほうが良い?
リュックによる毛玉はできてしまってから気がつくことが多く、元の状態に戻すことはできません。
どうしてもリュックでおでかけする必要があるときは、ショルダーストラップは長くしすぎない、片方の肩で持たない、リュックが激しく揺れるような持ち方をしないなどなるべく摩擦を起こさないような持ち方を心がけましょう。
ただ、あまりにも気にしすぎるとリュックの良さが半減してしまいますので、毛玉ができるのは仕方ないと割り切る気持ちも必要かな?と感じます。
大事な洋服を守ることを優先するなら、キレイな状態で長く楽しみたい洋服を着るときにはリュックは背負わないようにした方が良いでしょう。
同じくショルダーバッグも服との摩擦がおきやすいので気をつけて下さいね。