ある洗剤メーカーさんが「おうちで洗濯して失敗したことがある衣類は?」というアンケートを行ったところ、堂々の1位に輝いたのは「セーターなどのニット」だったそうです。
この結果に、「わかる〜!!」と共感できる人も多いのではないでしょうか?
今回の家庭でできる超洗濯術では、おしゃれ着用洗剤と洗濯機でニットを洗う方法についてご紹介していきます。
コツさえつかめば「洗うのが面倒だからなかなか着られない」と感じていたニットがもっと身近になりますよ。
ぜひご覧になってみてくださいね!
ニットの洗濯。なぜ失敗するの?
まずは、ニット・セーター洗濯の失敗の原因になる「よくある間違い」から見ていきましょう。
「ネットに入れれば型崩れしない」は間違い!
ニットを洗濯機で洗う場合、とりあえずネットに入れると思いますが、「ネットに入れれば型崩れを防げる」と思うのは間違いです。
確かに洗濯ネットは衣類を他の衣類との摩擦から守ったり型崩れを防止する効果はあるのですが、デリケートなニット類の縮みを防ぐような効果は期待できません。
使った方が良いのですが、「ネットに入れれば洗濯で洗ってOK」ではないのです。
なんでも「標準コース」は間違い!
いつもの洋服を洗濯するなら「標準コース」で良いのですが、ニットは標準コースに向いていない衣類になります。
標準コースの一般的な流れは「洗う」→「排水して脱水」→「すすぎ(2回)」→「脱水」になっていて、普通の汚れ物に適した洗い方をしています。
ニットを洗濯機で洗う場合は、「ドライコース」「手洗いコース」など、ニットにあったコースを洗濯するようにしましょう。
「お湯の方が汚れは落ちる」は正解だけどニットには間違い!
洗濯にお湯を使ったり、お風呂の残り湯を使う人も多いことと思いますが、ニットは常温の水で洗いましょう。
熱が加わってしまうとかなり高い確率で縮んでしまいます。
同じ理由で、乾燥機にかけても縮んでしまいますので、ニットは「風通しの良い日陰」に干すようにしましょう。
扇風機やサーキュレーターで風を当てれば室内干しでも大丈夫ですよ。
いつも通りハンガーで干すのは間違い!
これも経験したことがある人も多いと思うますが、ニットを干すときにいつも通りハンガーにかけてしまうと肩の部分にあとがついてしまったり、首回りと袖が伸びる原因になります。
シルエットが変わらない干し方もぜひ覚えておきましょう!
ニットの縮みを防ぎつつ洗濯機で洗う方法
ニットの縮み・伸びを防ぎつつ洗濯機で洗う方法をご紹介します!
ステップを細かく分けて解説していますので、最初はひとつずつ確認しながら実践してみてくださいね。
ステップ1:洗濯表示を確認しましょう
ニットを洗濯機で洗う時に必ず確認したいのが洗濯表示です。
この「家庭での洗濯禁止」マークがあるものは基本的に洗濯機では洗えません。
洗濯機で洗いやすいニット・セーターは、こちらのいずれかの洗濯表示がある衣類になります。
ただし、家庭洗濯不可であってもポイントをおさえて正しく洗濯をすれば洗濯機で洗える衣類もあります。
難易度は上がりますが、ご自宅で洗ってみたい家庭洗濯不可の衣類がある場合は、ぜひこちらの記事「実践!家庭での洗濯禁止マークがあるウール100%のコートを洗濯機で洗ってみた」もご覧になってみてください。
ステップ2:洗濯ネットに入れましょう
ニットを裏返して洗濯ネットに入れます。
できるだけ摩擦を防ぎながら洗いたいので、1枚の洗濯ネットに入れる量はニット1枚だけにします。
洗濯ネットは大きすぎても小さすぎてもあまり良くありません。
大きすぎたらネットの中でニットが摩擦を起こして毛玉、縮みの原因になりますし、小さすぎてギュウギュウになると汚れ落ちが悪くなります。
ジャストサイズのネットがない場合は大きいネットを使います。
余っている部分を結んだりゴムでとめてちょうど良いサイズにしましょう。
ステップ3:洗剤はおしゃれ着用洗剤を使いましょう
洗剤はいつもの洗剤ではなくおしゃれ着用洗剤を使ってください。
通常の洗剤よりもやさしく洗うことができるので、すすぎも1回で良く、縮み防止にもなります。
ただし、おしゃれ着用洗剤はやさしく洗える分だけ洗浄効果は穏やかな仕組みになっています。
襟・袖に気になる汚れがあったり、食べ物のシミがついている場合などはおしゃれ着用洗剤の原液をつけて指・手のひらで予洗いしておくと汚れが落ちやすくなります。
ステップ4:洗剤液を作ります
※このステップは、お使いの洗濯機の使い方にしたがってください。
水位に合わせたおしゃれ着用洗剤を洗濯機に入れて、洗濯機を回して撹拌しておきます。
よく混ざってから洗濯ネットに入れたニットを入れます。
洗濯物を洗濯機に入れてから洗剤と水を注ぐ方法が一般的だと思いますが、最初にしっかりと水と洗剤を混ぜて洗濯液を作っておくと縮みを防げますし汚れ落ちも良くなります。
ただし、ドラム式洗濯機や液体洗剤の投入口が別にある洗濯機などはこの方法で洗うことはできません。
やりやすい方法で洗っていきましょう。
ステップ5:「ドライコース」「手洗いコース」で洗っていきます
洗濯コースは「ドライコース」「手洗いコース」などのいちばんやさしく洗えるコースを選んでください。
ここから脱水が終了するまでは洗濯機にお任せでOKです。
なお、脱水は時間が短いほど衣類に優しく仕上がります。
より丁寧に洗いたい場合は脱水が始まったら1分以内に停止して干しましょう。
ステップ6:「風通しの良い日陰」に干します
ニットを干すときは直射日光が当たらない風通しが良い日陰に干しましょう。
水を含んだニットはかなり重さがありますので、袖がダラーっと下がってしまうとそこから伸びてしまいます。
型崩れしないように工夫してみてください。
▼ハンガーを使って干した例
▼物干し竿に干した例
ところで、おしゃれ着用洗剤ってなに?
おしゃれ着用洗剤は、ニット、ウール、シルク、レースなどのデリケートな素材でできた衣類や色落ちが気になる衣類を洗うことに特化した洗剤です。
基本的に中性洗剤でできています
一般的な洗濯洗剤は弱アルカリ性となっていることがほとんどです。
衣類に付着しやすい汚れの多くは酸性なので、弱アルカリ性の洗剤を使うことで落ちやすくなるのです。
おしゃれ着用洗剤は、ほとんどが中性洗剤になります。
「エマール」「アクロン」「ボールド」「ファーファ」は全て中性洗剤です。
中性洗剤は弱アルカリ性洗剤よりも汚れ落ち効果は落ちるのですが、デリケートな繊維や、シルク、ウールなどの動物性たんぱく質で構成されている繊維にダメージを与えずに洗濯をすることができるのです。
おしゃれ着用洗剤が向いている衣類・向いていない衣類
おしゃれ着用洗剤は、基本的に普段着の洗濯には向いていません。
その理由は2つあります。
ひとつは汚れ落ちの悪さです。
弱アルカリ性の一般的な洗剤と比較すると含まれている界面活性剤の量が異なるため、どうしても汚れ落ちが悪くなるのです。
もうひとつはコスパです。
おしゃれ着用洗剤の方がコスパが悪く、お洗濯1回ごとの費用を比較すると倍近く差が出ることもあるようですよ。
▼おしゃれ着用洗剤が向いている衣類
・ニット
・ブラウス
・ランジェリー
・色落ちが気になるデニムやコットンなど
・毛羽立ちが気になるベルベット、コーデュロイなど
▼おしゃれ着用洗剤が向いていない衣類
・汚れがひどいもの
・シミ、黄ばみが気になる衣類
・バスタオルなどしっかり洗いたい普段使いの繊維
洗濯機でニットをもっともっと身近に!
一見、洗濯機では洗えなさそうなニットも、ポイントをおさえておけば縮むことなく洗うことができます。
用意するものは洗濯ネットとおしゃれ着用洗剤だけですし、1枚ずつネットに入れれば複数のセーターをまとめて洗うこともできますよ。
洗える衣類はご家庭でお洗濯すればもっと気軽に着られるようになりますし節約にもつながります。
どうしてもお洗濯が難しい衣類は、無理して洗おうとせずにぜひ宅配クリーニングのデアをご活用くださいね。