今回は、ドライ指定のカリモクのソファーカバーを自宅で洗ってみて、その洗い方や注意点などをご紹介しています。
ソファーカバーの多くは家庭洗濯不可であることが多いのですが、なぜ洗ってはいけないのでしょうか?
注意!ソファーカバーは間違った洗濯で縮みます!
ソファーカバーの敵は「縮み」です。
ソファーカバーはクッションにジャストフィットするように作ってありますので、少しでも縮んでしまうとクッションが入らなくなってしまいます。
このトラブルを避けるために、家庭洗濯は不可にしてドライクリーニングで洗うように指定されているのです。
しかしソファーカバーには様々な汚れが付着します。
汗や皮脂などの人間の汚れも付きますし、食べこぼしもありますよね。
こういったものを気にせず心からくつろぎたいものですが、簡単に洗えないとなると困ってしまいます。
ドライ指定(水洗い不可)のソファーカバーを自分で洗ってみます
普通に考えると「ドライ指定のものを自分で洗って大丈夫なの?」と思いますよね。
むしろ、デアのようなクリーニング屋さんはこういう時のために存在するのでは・・・と自分でも思います(笑)
洗濯表示に反する洗い方は自己判断になりますので、不安な場合はやめておいたほうが良いと思います。
デアではソファーカバー、ソファークッション、ソファー本体のクリーニングも承っておりますので、ご自宅で洗うのが困難なものはぜひご利用ください。
→ソファーカバークリーニングのデア
なお、今回実践する方法はクリーニングのデアお墨付きの方法で、うまくお洗濯できることをデアでも確認済みであることをお知らせいたします。(確実に上手くいくことをお約束するものではございません)
ステップ0:ソファーカバーの状態をチェックしておきましょう
こちらが今回洗ってみるソファーのクッションです。
この長方形のウレタンクッションが4つあり、それぞれに外カバーがついています。
遠目で見るとあまり汚れも目立たないのですが、全体的に黒ずみがあり、近くで見ると角に黒ずみが強いところがあります。
シミがついているところもあります。
洗濯表示はドライ指定で間違いありません。
デアのクリーニングでもお預かりしたお品物の状態を職人の目で細かくチェックしていますので、私もまずはチェックから入ってみました!
では、早速洗っていきましょう。
ステップ1:洗剤液を作っておきます
使用する洗剤は液体酸素系漂白剤(ワイドハイターなど)になります。
ウォッシュタブ(たらい)などに1度カバーを入れてみて、大きさを確認してみてください。
カバーがしっかり沈むサイズであればOKです。
ソファーカバーがしっかり沈むサイズのバケツなどにキャップ2〜3杯の液体酸素系漂白剤を入れて常温の水を注いでよくかき混ぜておいてください。
必ず「水」を使ってくださいね。お湯を使用すると縮んでしまいます。
ステップ2:ソファーカバーをつけ置きします
洗剤液にソファーカバーを沈めます。
酸素系漂白剤が時間をかけて汚れを落としてくれるので、ゴシゴシこすり洗いをする必要はありません。
ときどき様子を見て浮いているようであったら沈めてください。
この状態で一晩待ってみましょう。
「一晩も?」と驚かれるかと思いますが、結論から申し上げますと大成功していますのでご安心ください♪
ステップ3:すすぎ洗いをします
一晩つけ置きをしたソファーカバーを洗濯機に移して、「すすぎ」と「脱水」を行います。
※洗濯洗剤は使わないでください。
▼すすぎのポイント
水はたっぷり使ってください。私は余裕を持って洗うために最高位ですすぎました。
水が少ないと摩擦が起きてソファーカバーの傷み、縮みの原因になります。
酸素系漂白剤と汚れをしっかり落とすために、すすぎは2回行ってください。
お使いの洗濯機にもよりますが、一般的には「標準」ですすぐと2回すすぎが行われます。私も「標準」ですすぎました。
▼脱水のポイント
縮み防止の観点では脱水せずに濡れたまま干しても良いくらいなのですが、ご家庭で濡れ干しは大変かと思いますので、ごく短時間だけ脱水を行います。
縮み防止を考慮して脱水時間は1分くらいにしておきましょう。
水がビシャビシャと垂れて干しにくいようでしたら、1分ずつ追加してみてください。
ただし、脱水時間は短ければ短いほど安全です。
今回は、ソファーカバー2枚に対して1分のすすぎを行いました。
ステップ4:自然乾燥で乾燥させます
シワを伸ばして、風通しが良い日陰に干します。
浴室乾燥やタンブル乾燥、ドラム式洗濯機の乾燥機能などは絶対に使わず、必ず自然乾燥で乾かしてください。
乾燥機能を使うと間違いなく縮んでしまいますよ。
こちらは脱水が終わった直後のソファーカバーです。
洗濯前の水に浸す前と同じサイズに洗いあがりました!
洗濯する前にもサイズを測っていたのですが写真を撮るのを忘れていました・・・。
完全に乾いたら、クッションを戻しましょう!
湿ったままクッションを入れるとカビが生えてしまいますので、隅々までしっかりと乾かしてくださいね。
ちなみに、職人の場合はアイロンで仕上げを行います。
アイロンをかけなくても、このくらいキレイになっているのですが・・・
職人がアイロンがけすると、表面のシワが取れてここまでピシッとキレイになります。
ステップ5:汚れ落ちをチェックしてカバーをクッションに戻します
カバーはクッションをぴったり包むサイズに作られているので、外し作業と戻し作業は少し大変ですが頑張りましょう!
全く縮むことなく、クッションを戻すことができました。
大成功です!
汚れ落ちをチェックしてみると、食べこぼしっぽい茶色いシミもキレイに落ちていて、全体的な黒ずみも取れています。
特に角に黒ずみがあったのですが、どこについていたかわからないくらいキレイになりました。
まだ洗っていないカバーと比較すると汚れがちゃんと落ちていることがわかります。
洗った方は全体的な黒ずみが落ちてスッキリしています。洗っていないカバーのマルには茶色いシミがうっすらついているのですが、こういったシミもキレイに落ちています。
肉眼で比べてみると、洗っていない方が全体的にモヤっとしていることがハッキリわかります。
また、洗った方は匂いもスッキリしてとても気持ちが良いです。
もし、まだ気になる汚れがあるようでしたら、同じ工程を再度試してみてください。
ドライ指定(水洗い不可)のソファーカバーを自分で洗った感想は?
やることといえば、「縮ませないこと」を頭に入れて、洗剤液を作ってひと晩つけこんで脱水して干すだけなので、手順は簡単でした。
ポイントは扱い方と温度です。
・洗濯機でガラガラと回して洗わないこと
・お湯を使わないこと
・たっぷりの水ですすぐこと(摩擦の防止)
・乾燥機を使わないこと
など、これらを守っていればむしろ手間をかけることなく洗えることがわかりました。
今回はたまたまカリモクでしたが、他の海外ブランド物などのカバーも同じ方法で洗えると思います。
職人じゃないとできないような高度なワザは使わないので、クリーニングに出すほどじゃないけど洗いたいということであれば、無理なく洗濯できると思いますよ。
ソファー本体は中性洗剤で水拭きします
ソファーカバーを洗っている間にソファー本体の汚れも落としてみたのでご報告しますね。
(ここから試す方法は私の自己流です)
布製ソファー本体の汚れは、固く絞ったタオルで水拭きができます。
今回も全体を水拭きしてみました。
どうしてもシミや汚れが気になる部分は台所用洗剤やエマールなどの「中性洗剤」を使って落とします。
固く絞ったタオルにごく少量の洗剤を含ませて、汚れが気になる部分をポンポンと拭き取ってください。
最後にキレイなタオルで洗剤を拭き取って完全に乾燥させます。
※この方法は布地のソファー向けの方法です
残留洗剤のこと
この中性洗剤を使ったメンテナンスではかなり汚れを落とすことができます。
すみません。写真の加減で別物みたいに見えますが、同じ部分を撮影したものです〜!
茶色いシミはキレイに落ちました。
とても嬉しいのですが、汚れ落ちを確認して洗剤を拭き取る時に、ちょっと怖くなってしまいました。
拭いても拭いても指でこすると泡が出てくるんです・・・。
デアの社長から、「お客様からお預かりした絨毯を水洗いをしただけで泡だらけになることがよくある」と聞いたことがあります。
これは前回他店でクリーニングをした時から残っている合成洗剤の残留洗剤で、アレルギーや肌トラブルの原因にもなってしまいます。(デアの絨毯クリーニングは天然石けんを使用しますので、残留洗剤の心配はありません。)
→【ご参考】ハウスクリーニングで子供のアレルギーが出て・・・
今回拭き掃除をしたところはクッションに完全に隠れる部分なので肌に触れることはありませんが、洗い流せないものに合成洗剤を使うのはちょっと怖いな・・・と考えさせられる出来事でした。
ウレタンクッションはアルコールスプレーで
クッションは洗えないので、今回はアルコールスプレーを吹きかけて陰干しして終わりとしました。
ソファーカバーを外している間にアルコールスプレーを吹きかけて乾かしておきました。
ちなみにウレタンクッションは高温が苦手なので、乾燥機や布団乾燥機を使うのはやめておきましょう。ウレタンが劣化してボロボロになってしまいますよ。
洗うことはお気に入りの物を長く使うこと(まとめ)
今回洗ったソファーカバーは、つい最近リサイクルショップで購入したソファーのものでした。
たくさん並んだソファーの中でパッと目に留まって、サイズも雰囲気も良く、座ってみるとクッションのヘタリも感じられません。
あとからカリモクのものだとわかって、どおりで丁寧に作られているわけだと納得しました。
唯一気になったところはカバーの汚れです。
ところどころにシミがあるのと、全体に黒ずみがあり、あまり洗っていないような印象です。
カバーの洗濯表示をチェックするとドライ指定になっていて、これが理由でカバーの洗濯をしなかったのかな?と勝手に想像しました。
店員さんに話を聞くと、「カリモクなんでウレタン(クッション部分)の耐久性も良くソファーとして状態は良いんですけど、カバーの汚れはウチでは落とせないので価格を下げています」とのことでした。
確かに見た目はあまりキレイではなかったのですが、この時私は「これなら余裕で洗える!これは良い買い物になる!」と確信していました(笑)
この「家庭でできる超洗濯術」では、洗うことのプロであるデアのお墨付きの情報をシェアさせていただいていますので、難易度の高い繊維を家庭でも安全に洗う裏技が揃っています。
クリーニング職人が行っている方法をホントに惜しみなく教えてもらえるので、私個人的にも洗濯の腕が上がっていることを実感していて、ソファーを一目見た時に「これなら安全にキレイにできる!」と思えたことから購入したという経緯がありました。
クッションのクリーニングは自分ではできないので、タイミングをみてデアに依頼しようと思っています。
そうすれば一生モノとして大切に使っていけます。
皆様も「家庭でできる超洗濯術」を実践すればするほど今以上にお洗濯上手になって、日々の洗濯が楽しくなると思います。
大切なものを自分で洗ってみると、洗うことは大切にしたいものを長く使うために必要なメンテナンスだということもわかります。
自分ではどうしても洗えないものはデアにお任せいただいて、チャレンジしたいものがあったらぜひ試してみてくださいね。