洗濯機・乾燥機を使うと一発アウトな衣類を家庭で洗濯する超手洗い法

つい先日、「洗濯機・乾燥機を使うと一発アウトな衣類リスト」という記事を公開したのですが、もうご覧になっていただけましたか?
ここの内容はぜひ知っておいていただきたいお洗濯の超基本的なことなのですが、洗濯機では洗えなくても丁寧な手洗いをすれば家庭で洗える衣類もあります。

大切な衣類のためのお洗濯上級クラスの超手洗い法を宅配クリーニングのデアがご説明します。ぜひご覧になってみてくださいね。

目次

知っておこう!超手洗い法でも家庭で洗えない衣類はこれ!

洗濯の注意事項

最初にとても大切なことをお伝えします。
洗濯機・乾燥機を使うと一発アウトな衣類リスト」で紹介している衣類の中には手洗いで洗えるものもあるのですが、逆に家庭で洗わない方が良いものもあります。
それは水に弱い素材のもの、エンボス加工、撥水・防水加工・光沢加工など特殊加工がしてある服です。

レーヨン・キュプラ・アセテートなどのとても水に弱い素材は家庭では洗えません。
刺繍がある衣類もご注意ください。最近の衣類は移染(色移り)が少ないのですが、刺繍糸は色が出やすくなっています。小さな皮が付いている場合も移染することがあります。

レザージャケットは手洗い可能な場合もあります。レザージャケットの中でもライダースジャケットは強く作られているので、移染の確認をすれば水洗いできます。ただし、大切に長く育てながら着ていきたいジャケットなら、自己流の洗濯ではなくデアのクリーニングをおすすめします。

洗いやすいのは自分で干して仕上げができる衣類

洗濯の注意事項
これも大切なことなのですが、家庭で洗うことができても形を整えるのが大変な衣類もあります。
洗濯の工程を考えると、手洗いをした服は干して乾かして、衣類によってはアイロン・スチームで整えることになります。
例えば男性のスーツ、制服のプリーツスカートなどは、綺麗に整えるには時間がかかります。
また、厚手のコートの中にも洗えるものはありますが、しっかり乾燥させないとカビの原因になります。
このように、「洗うことはできるけど、自分で乾燥・仕上げをするのが大変な服」は、頑張って家庭で洗わずにクリーニングに出した方が賢明とも言えます。
ご自身の都合に合わせて判断すると良いでしょう。

超手洗い法で洗える衣類はこれ!

シルク(絹)、カシミヤ、ウール、アンゴラなどの動物繊維は手洗いが可能です。
また、丁寧に取り扱えば、ビジューや飾りがついている衣類も洗うことができますよ。

色落ちしやすい鮮やかな色に染めてある服も手洗い可能なのですが色落ち・移染にご注意ください。
例えば、白と黒が隣接しているツートンの衣類が黒から白に移染するのは、洗っている時ではなく乾燥するときなんです。乾く間に白い生地が先に乾き、まだ濡れた黒の生地から色が移っていくことで移染してしまいます。
移染するかどうか事前に確認する方法は、衣類を白いタオルにのせて少し洗剤をつけて叩いてみます。タオルに色が移っていたら必ず移染しますので洗うことはできません。

レーヨン・キュプラ・アセテートなども手洗いできる

レーヨン・キュプラ・アセテートなどは手洗いでも水洗いは絶対に避けるように言われていますが、実は家庭で手洗いできないことはありません。
洗剤液にしばらくつけ置きしておきシャワーを浴びせるアクアシャワー技法なら手洗いが可能なんです。汚れているところは部分的にブラッシングして汚れを落とします。
脱水は行わずに濡れ干しで自然乾燥します。

洗濯表示が水洗い不可となっていても、丁寧な手洗いなら洗える衣類は意外とたくさんあります。
ただ、不安を感じながら家庭洗濯するよりはデアにお任せいただいた方が安心な場合もありますので、心配な場合はお気軽にご相談くださいね。

デリケートな衣類を家庭で洗う「超手洗い法」

デリケートな衣類は基本的に手洗いを行います。
手洗いというと難しく感じられるかもしれませんが、1度やってみると簡単にできることがわかると思いますよ。
手洗いのコツは洗濯機に入れる、ゴシゴシ洗うなど衣類に物理的な力を加えないことです。
手洗いをすると汚れが落ちているのが目でわかるのでやりがいもあります(笑)
ぜひ手洗い洗濯にチャレンジしてみてください。

ここでは、ニットを例に洗い方をご紹介します。

1.洗濯物の下準備をします

皮脂や汗などの汚れは裏側につきやすいので、洗いたいものを裏返してたたんでおきます。
えり、袖、わきなどに汚れが目立つ場合は、倍に薄めたお洒落着用洗剤や液体の酸素系漂白剤をつけて30分ほど置いておきます。
※酸素系漂白剤が使えない衣類もありますので、洗濯表示で確認してください。

2.洗剤液を作る

ニットなどのデリケートな衣類は、おしゃれ着用の洗剤で洗うことをおすすめします。
普通の洗濯洗剤は弱アルカリ性になのですが、おしゃれ着用洗剤は中性になります。汚れの分解能力は洗濯洗剤には劣りますが優しく洗うことができます。

洗面器やバケツに洗剤液を作ります。
洗剤の量はお使いの洗剤の説明通りにします。手洗い用の表記がない場合は、少し少なめにすると良いでしょう。

3.ニットを「押し洗い」します

押し洗い

洗剤液の中に洗濯物を浸して優しくぎゅーっと押します。洗剤液を繊維に浸透させるように両手で沈めましょう。

両手でニットをすくい上げてジャーっと水を落とします。絞らなくて良いので自然に水を落とします。
この「沈める→すくう」の作業を3分程度行なってみてください。

4.脱水します

洗剤液をしっかり落とすために脱水を行います。
ニットであれば洗濯機の脱水機能を使うことができます。
脱水するときは洗濯ネットを使いましょう。ちょうど良い大きさのネットがなければ、洗濯物を入れたネットの口を結んでネットの中で衣類が動かないようにします。

脱水時間は30秒です。
長時間の脱水は、しわや型崩れの原因になります。
手洗いにかかわらず、デリケートなカシミヤ、ニット、シワになりやすい衣類の脱水は30秒以内にします。

5.すすぎます

洗面器・バケツに綺麗な水を入れて、洗濯ネットから出したニットをひたします。
押し洗いと同じ方法ですすぎを行います。水を換えて2回すすぐようにしましょう。

6.脱水します

「4」と同じ要領で脱水を行います。脱水時間は30秒です。

7.干して乾燥させます

洗いあがったニットは、日陰で平干し乾燥を行いましょう。

平干しのやり方

平らにおいて乾かすことで、型崩れを防ぎます。

超手洗い法で洗ってみた

クリーニング屋さんとしてはあまり大きな声では言えないのですが、ダウンウェアも家庭で洗うことができます。
こちらは私が実際に家で洗ったダウンベストです。

手洗いしたダウンジャケット

左側がお洗濯前、右側が洗って乾燥させた後です。
ふっくら感が違うのがわかりますでしょうか?
洗う前は自分で見てわかるくらいヘタっていたのですが、手洗いをしたことでふわふわの厚みがよみがえりました。
襟の黒ずみも綺麗に落ちて、全体的に鮮やかな黄色が復活した気がします。

プロは熱も上手に使います

ダウンジャケットの洗い方は基本的には今回ご紹介した超手洗い法で良いのですが、ポイントは脱水です。
全体に大量の水を含みますので、脱水30秒だけでは足りないことがあります。
30秒試してみて、水が滴り落ちるようなら様子を見ながら30秒追加してみてください。
完全に水が切れる必要はありません。びしゃびしゃの状態じゃなくなれば大丈夫です。

自然乾燥である程度乾いたら、仕上げとして15分程度乾燥機にかけるとさらにフワフワが復活します。

乾燥機にかけたら縮むのでは?と思うかもしれませんが、ほとんど(80%くらい)乾いている状態なら急激な乾燥にはならないので、縮んだりシワになることもありません。
家庭でホントに簡単に洗えるのでシーズン中でも汚れが気になったらぜひ試してみてください。

デアのダウンウェアの洗い方は?

「ダウンウェアをクリーニングしたのに、思ったほど汚れが落ちていなかった」という経験をしたことがある人もいると思いますが、それはクリーニング店がドライクリーニングを施したからかもしれません。
ダウンウェアをクリーニング店に預けると、ほとんどの場合ドライクリーニングすることになるのですが、ドライクリーニングでは汗は落ちませんし、袖口の黒ずみも落ちません。

デアはどうやって洗っているのかというと、ドライクリーニングではなく水洗い(ウェットクリーニング)で洗浄を行っています。ダウンウェアの状態や素材に合わせて手洗いと洗浄機でしっかりと汚れを落とすんです。
染み込んだ汗や襟元の皮脂汚れもしっかり落としていきます。デアの洗浄方法ならデリケートなブランドダウンジャケットも水洗いが可能なのです。

乾燥はほとんどのクリーニング業者さんが機械乾燥を行なっているのですが、デアでは洗浄したダウンウェアは乾燥機ではなく自然乾燥で乾かします。
自然乾燥は場所が必要な上に時間がかかるのでクリーニング店としては採用しにくい方法です。
しかしダウンウェアの乾燥にもっとも適しているのは自然乾燥なので、デアでは品質重視で自然乾燥にこだわっています。

最後に業務用アイロンの蒸気を活用して、ふんわりした風合いを蘇らせます。
ダウンにアイロン?とびっくりしてしまいそうですが、これこそが職人の技です。繊維の偏りや小さなシワを蒸気でほぐすことで滑らかさと艶を取り戻すことができます。

こちらがデアでクリーニングさせていただいたダウンコートです。
デアのダウンジャケットクリーニング
フワフワを通り越して、中綿がパンパンに膨らんでいるのがよくわかりますね。
表面の上品な艶もよみがえっています。
これがプロの仕上げです!
一生着続けていきたいダウンジャケットのクリーニングは、手洗い・自然乾燥のデアにお気軽にご相談くださいね。

洗えない衣類は宅配クリーニングのデアにおまかせください

 

クリーニング屋さんとしては、洗えるものはなんでも家庭で洗いましょうとは言いにくい部分もあるのですが、無理なく洗えるものはご家庭でお洗濯した方が経済的にも衛生的にも良いですよね。

「洗えない」の意味を考えてみると、2通りあることがわかります。
ひとつは、洗えない素材であること。
水に弱い素材であったり、洗うことで何らかのダメージがあるものですね。
こういった衣類はドライクリーニングが向いていますので、家庭で洗うのは避けてください。

シルクなども本来水に強くはないのですが、今回ご紹介している超手洗い法で手早く洗えばトラブルになることはありません。
これらの繊維は、やり方さえ気をつければ家庭で洗うことができます。

もうひとつは、水洗いできるけど家庭での洗濯には向いていない衣類です。
例えばウールのコートです。ウールは超手洗い法で洗うことができますが、コートとなると干して形を整えることに非常に気を使います。上手に形を作れないこともあるでしょう。
また、コートの表地はウールで一見洗えるように見えても、裏地がキュプラなどの洗えない素材でできていることもあります。

スーツも同じことが言えます。ウォッシャブルスーツじゃなくても家庭で洗うことはできます。ただし、アイロンやスチームで肩や襟のラインを整えたり、ピシッとプレスする技はやはりプロにはかないません。

こういったものは、家庭で無理をせずにシーズンに1回デアのクリーニングで徹底的にキレイにしませんか?
デアでは、衣類の一般クリーニングから他店で断られてしまうような一級品でもクリーニングが可能です。
洗えるものは超手洗い法で頑張ってみて、難しそうなものはお気軽にデアにご相談ください。

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