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家庭でできる洗濯の仕方、シミ抜き方法をクリーニングのプロが解説!~ダウンジャケット編~

冬山登山の防寒着であったダウンウエアが、すっかりタウンユースとして定着したダウンジャケット、ダウンコート。ダウンを手洗いで洗う極上の洗濯方法とお手入れ方法を解説します。

目次

ダウンジャケットは家庭の洗濯機で洗えない? いいえドラム式なら洗えます。

羽毛の量が少なくて、薄いライトダウン以外は、家庭では洗えないと思われている方が多いかもしれません。よくある水流式洗濯機では洗えません。水の流れが横回転ですので、空気の入った羽毛が水の中で浮いてしまい、沈まないからです。でもドラム式洗濯機なら、タテ回転で洗濯物を叩き洗いしますので、ダウンが浮くことなく洗えます。プロも業務用のドラム式水洗機でダウンを洗っています。
ダウンウエアには付属品がついていたり、デリケートなものもありますので、ドラム式で洗う場合は必ずダウンを裏返しにしてネットに入れて洗ってください。ダウンを裏返しにするのは、表側についているファスナーの金具や付属品をカバーするためです。
但し、洗濯機に入れるだけではダウンジャケットの汚れは取れませんので、洗う前に襟、ポケット周り、袖周りをブラッシングしてください。その方法は後ほど・・。

洗濯機の種類と使い方

ここで、水流式洗濯機とドラム式洗濯機の違いについて解説します。水流式洗濯機の水の流れは横回転、ドラム式洗濯機は縦回転で、洗い方は大きく違います。水流式洗濯機は撹拌することで水の流れを作り洗濯物を洗います。
ドラム式洗濯機は縦回転して洗濯物が重力で落ちることで叩き洗いします。どちらが洗浄力があるかといえば、洗濯物に与える物理的な力が強いドラム式洗濯機が圧倒的です。しかし、その分、衣類の傷みも大きくなります。デリケートな衣類などには適していません。
水の流れで洗う水流式洗濯機が優しく洗えて、繊細な生地も痛みません。ただし、最近の水流式洗濯機は、洗浄力を高めるためか、水の量が自動的に最小になるように設定されているため、衣類同士が擦れあって洗浄する方向に転換されています。本来の水流式ではなくなってしまっているのですね。これでは衣類が絡まりあってしまい、衣類の傷みも早まります。水流式洗濯機で洗う場合は、全自動ではなく、水の量を多くなるように設定して洗ってください。
ここでクリーニングのプロが推薦するのが、二層式洗濯機です。

プロが使う二層式洗濯機

水流式二層式洗濯機は、水の量が思いのままで、文字通り水の流れを起こすことで、衣類にとても優しい洗い方をします。水の中で衣類を泳がすと言うイメージです。また洗っている様子が上から見ることができるので、汚れの具合も見ることができ、ゆすぎの水も透明になったかどうかも確認できます。
一般のクリーニング店、工場では汚れを効率よく取るために、すべて縦回転のドラム式の業務用洗濯機で洗っています。しかし、デリケートな衣類を洗ったり、ドライクリーニングと水洗いのW洗いをする職人のいる現場には、さり気なく二層式洗濯機がおいてあります。これがクリーニング店の品質をきめる目安となるので、参考にしてください。

クリーニング店に負けないダウンの高級洗濯のコツ!

それではダウンを手洗いで洗う極上の洗濯方法を紹介します。
ダウンは水洗いが原則です。何故ならダウンに使われている羽毛は水鳥の胸のやわかい羽毛から作られていますが、その羽毛には油分が多く含まれており、その油分が水分をはじき保温効果を高めているのです。ドライクリーニングをするとその油分まで取ってしまって、保温効果が半減してしまいます。

まず洗濯表示タグをチェックしましょう。

一般のクリーニング店ではダウンウエアをドライクリーニングで洗っています。それは何故か?多くのダウンジャケットは、洗濯表示が水洗い☓(バツ)、となっているために、トラブルを避けるために洗濯表示通りのドライ/セキユ系のドライクリーニングをしているのです。
それでは何故、洗濯表示は水洗いバツでドライクリーニングオンリーとなっているのか?メーカーは、ダウンを家庭で洗ってほしくないからです。ドライクリーニングの設備のない家庭ではできませんからね。水洗いの家庭でガンガン洗ってしまって、衣類に瑕疵を起こして欲しくないからです。洗濯表示はあくまでも家庭で洗うための「家庭洗濯表示」であり、プロのクリーニングのためのものではありません。しかしながら、プロが洗うための表示基準がないために、クリーニング店のほとんどは、洗濯表示通りのドライクリーニングをしているのです。
しかし、前にも言ったように、油性のドライクリーニング溶剤では、保温効果が半減されるどころか、汗汚れも取れません。それなら家庭で水洗いしたほうがマシというものです。

モンクレール(Moncler)の水洗いコミックタグ

これは、ダウンジャケットのベストブランドと言われているモンクレール(Moncler)の裏地にはられている洗い方を伝えるコミックです。水鳥が泡のお風呂の中でジャブジャブ洗って、シャワーを浴びていますね。ダウンを知り尽くしているモンクレールは水洗いを推奨しています。

手洗いOKの洗濯表示

この写真のように、少しずつ「ダウンは水洗いが良い」ということが、各ダウンメーカーにも浸透してきたのか、最近では手洗いOKの洗濯表示が増えてきました。
また、この洗濯表示をよく見るとダウン90%、フェザー10%となっています。

ダウンとフェザーの違い

「羽毛」ダウンは水鳥の胸に生えているもので陸鳥(ニワトリ)にはありません。羽毛(ダウン)は吸湿発散性に大変優れており軽くてたっぷり空気を含んでいます。
「羽根」フェザーは湾曲した羽軸を持っているので弾力性があります。ダウン100%では弾力性を保てないためダウンジャケットには、10%のフェザーを混ぜてあり、ふっくらとした形を作っているのです。ちょっと横道にそれました。さっそく洗いの実践に入りましょう。

汚れの目立つ白いダウンは手洗いが決めて!

ここは、クリーニングの手洗いの水洗い場です。家庭では代わりに浴槽のフタを利用しましょう。その上で作業します。シャワーを45度ぐらいに設定してお湯をジャブジャブかけます。これだけでも、汗やホコリを取り除いてくれます。これをクリーニングのプロは「シャワー洗浄」と呼びます。最も衣類への負担をかけない洗浄方法です。しかし、これだけではダウンの表面にこびりついた汚れは取れません。お湯に十分なじませたら、ブラッシング洗浄です。
次に洗剤をスプレーします。使っているのは100%天然石鹸です。洗浄力があります。石鹸は肌にも優しいのです。石鹸がなければ、家庭洗濯では台所用の中性洗剤を使うと良いでしょう。食器洗いだから、油性の汚れもよく落としてくれます。
濃い色のダウンと比べて、白いダウンは特に汚れが目立ちます。本当は濃い色のダウンも目立たないだけで、同じように汚れています。濃い色のダウンも汚れがひどくなると表面のツヤがなくなってきますので、チェックしてみてください。これらは洗濯機で洗うだけでは汚れは取れません。
クリーニング店でも白いダウンで汚れの多いものはドライクリーニングでは取れないので、水洗いをしています。それでも通常のクリーニング店ではブラッシング洗浄はやりません。効率が悪いからです。白いダウンジャケットをクリーニングに出したら、襟や袖口の汚れが残って帰ってきたという経験はありませんか?それなら自分でダウンクリーニングです。
洗剤がよく馴染んでからブラッシングです。まず襟から。使っているのは市販されているナイロンたわしです。木目が細かいので繊維の間に入った汚れもよく落としてくれます。手に触れてちょっと熱いぐらい、40~50度くらいのお湯を使うと、洗浄力が増し、見る見るうちに汚れが落ちていくのがわかります。
ダウンジャケットの汚れる箇所は、主に襟、袖口、ポケット周りです。
中でもダウンクリーニングを多く扱っている経験から言って、一番汚れているのは、袖裏です。
洗剤液をよくふりかけて、袖裏のブラッシングです。このダウンの表地の素材は、ナイロンですので、ブラシで2~3回ブラッシングするだけで、きれいになっていきます。
座ったときに裾(すそ)裏も擦れますので汚れます。目立たないところですが、よくチェックしましょう
裾裏はまんべんなく汚れますので、一周してブラッシングしてください。
白いダウンは白いままですっかりきれいになりました。
しかし、ダウンの表生地がきれいになったからと言って、ダウンの中まできれいになったとは言えません。ダウンは温かいので意外と多くの汗をかくのです。汗汚れがダウンに染み込まれています。
ここで、ドラム式洗濯機をお持ちの方は、手洗いしたダウンジャケットをネットに入れて洗濯してください。水流式の洗濯機では羽毛の少ないライトダウウン以外は、水の上にプカプカ浮いて効果がありません。
その場合はどうするか?裏技をご紹介しましょう。
それは、コインランドリーを利用するのです。
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