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家庭でできる洗濯の仕方、シミ抜き方法をクリーニングのプロが解説!

家庭でもできるプロの洗い方、しみ抜き方法を紹介しましょう。家庭の洗濯とクリーニング店の設備は違いますが、正しい洗い方をすれば、素人でも町のクリーニング店よりも良い洗い方、良い仕上がりになることもあります。

目次

染みや汚れがついて困っている方はいますか?

シミがついてから時間が経てば経つほど取れにくくなります。すぐに落とすことが大切です。シミや汚れを落とす方法をクリーニングのプロがコットン(綿)麻・レーヨン・シルク・ナイロンなど繊維素材別、醤油・コーヒー・化粧品・おしっこなどシミの種類別に解説いたします!

コットンパンツに赤ワインをこぼした!

ワインブームとともに、赤ワインをこぼしたりするアクシデントは日常的に見られるようになりました。もちろん、白ワインでも放置しておいたら、酸化して黄色くなってきます。ただ、白ワインは水溶性ですから、固く絞ったタオルで叩いて、そのまま洗濯してしまえば大丈夫ですが、赤ワインの場合は色素が強いので、応急処置をして洗濯しても必ず色が残ります。漂白作業をマスターしましょう。簡単です。家庭でもできるワインのしみ抜きをご紹介します。

白生地コットン(綿)は塩素系漂白剤(ハイター、ブリーチ)が使えます。

赤ワインの漂白です。生地がコットンで白ですので、塩素系漂白剤(ハイター・ブリーチ)が使えます。歯ブラシに漂白剤の原液をつけ、ワインのシミの箇所につけます。あらかじめ漂白剤に重曹を一振りしておくと、漂白剤の効果が高まります。重曹は漂白への触媒効果があるようです。
消えてきましたね。
塩素系漂白剤のメリットは何より漂白のスピードが早いのです。みるみるうちに白くなります。

市販の漂白剤を使いこなしましょう。

塩素系漂白剤

塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)が使えるものは、白い衣類のみで、色柄ものは使えない。また使える繊維はコットン(綿)、麻、ポリエステルのみで、ウール(毛)、シルク(絹)などには使えない。そして浸け込んでも絶対に長く浸け込んでおかない。変色したり繊維が痛みます。

もし、失敗したら、直ちに「カルキ抜き」で中和してください。次亜塩素酸ナトリウムは、水道水に薄く入っているカルキです。「カルキ抜き」は、金魚鉢の水道水のカルキを中和するものとして市販されています。

塩素系漂白剤を使えるものは限られていますが、そのメリットは何より即効性です。そして白いものにしか使えませんが、効果が出ると気持ちの良いほど真っ白になります。

塩素系漂白剤(ハイター、ブリーチ)にはどんなものに使えるかは
「漂白剤と繊維の関係」 の「次亜塩素酸ナトリウム」の欄を御覧ください。

酸素系漂白剤

酸素系漂白剤は利用範囲が広く、色柄ものに使えて、繊維もナイロン以外はすべて使えると思って良いでしょう。効果はゆっくりです。ゆっくりな分だけ安全です。ワイドハイター、ブライト両方共成分は過酸化水素です。消毒用のオキシドールと同じで弱めの漂白剤です。使い方としては、漬け込みです。キャップ一杯を薄めて一晩漬け込んでください。レースのカーテンで黒くなってしまったカビを1週間漬け込んだら、カビが取れたという洗濯上手の主婦からの報告もあります。

漬け込みは常温でOK。ぬるま湯以上に温度をあげないでください。温度が上がるごとに、効果が強くなり変色、色抜けなどの原因になります。

酸素系漂白剤(ワイドハイター、ブライト)にはどんなものに使えるかは
「漂白剤と繊維の関係」 の「過酸化水素」の欄を御覧ください。

シミは放置しない!時間がたてばたつほど取れなくなる

これはウェディングドレスに赤ワインをこぼした状態です。

シミは、時間が経てば取れなくなります。
熱がかかったり、時間経過で空気中の酸素と反応して酸化、変色、黄ばみが発生してしまいます。
黄ばみ(変色)が発生すると、漂白処理をしないと取り除けなくなりますので、特に初期段階の処理が大切です。
また白い衣服に汗をつけたまま保管していると、いつの間にか黄ばんできます。
この黄ばみも洗っただけでは取れません。
特に色柄もののシルクやウールの黄ばみや変色したシミは、クリーニングのしみ抜きプロでも落とすことが出来なくなります。

シミが付いたら、すぐに固く絞ったタオル(ハンカチ、ティッシュでもOK!)などで、上から叩いてください。
生地裏に乾いた同じものを敷いておく。下に叩き出すというイメージです。油性のシミなら台所用の中性洗剤(お店のトイレの手洗い場についている緑色の洗剤でも大丈夫!)をつけて叩いてください。
赤ワインのようなシミでも、大抵のシミなら取れてしまいます。

シミがついてから時間が経てば経つほど取れにくくなります。すぐに落とすことが大切です。
シミには主に、

  1. 水で落ちるシミ
  2. ベンジンやアルコールなどで落ちる油のシミ
  3. 乾いてブラシで取るか、揉んこむなどすると落ちる固形のシミ

がありますので、種類を見分けてすぐ処理すれば、ほとんどのシミ汚れは落とすことが出来ます。

シミが付いたら放置しないことが最大のシミ抜き技術といえるでしょう。
有名クリーニング店ま、チェーン店やフランチャイズ店の大きなクリーニング工場で処理するクリーニング店ほど、シミ抜きは手間が掛かってリスクもあるので、「生地が傷みますので、これ以上はできません」というタグがついきて、十分に処理してくれません。
こんな事情から、「自分でシミは取るんだ!」という気持ちで、早めの処理が必要になるわけです。

シミが取れたなら、家庭で選択するか、または安心してクリーニングに出しましょう。

シミの見分け方

クリーニングに持ち込まれるしみ抜き依頼は、ほとんどが「なんのシミなのかわからない」です。
「気がついたらシミが付いていて困った。お気に入りの洋服なのに!」というときは、
シミのついた箇所に少しだけ水を垂らして見て下さい

  • コーヒー、ジュース、お酒など水溶性のシミなので水に溶けこみます
  • 油の染みは水を弾きます
  • 泥・土・鉄サビは乾くと固形物になるので、ブラシで取るか、揉み込めば落ちてしまいます。
種類 対処法
水に溶ける(水溶性)シミ しょうゆ・コーヒー・ジュース・酒類など ついてすぐなら水だけで落ちます。
血液・紅茶・ワイン・果汁・インクなど 水で落ちますが色素が残る場合があります。落ちない場合は、漂白剤を使用します。
油に溶ける(油溶性)シミ 口紅・ファンデーション・チョコレート・ボールペン・機械油・食用油・衿あかなど 台所用中性洗剤をつけるか、ベンジン、アルコール、シンナーなどの有機溶剤で落せます。
カレー・ドレッシング・ミートソース 焼肉のタレ、カレーなどは色素が残る場合があります。落ちない場合は漂白剤を使用します。 ※1
固形物不溶性のシミ 泥・土・墨・墨汁・鉄サビ・チューインガム・鉛筆・ゲルインキのボールペンなど 水にも油にも溶けないので、乾いたらブラシで取るか、揉み込むなどして落します。

※1

カレー、墨、チョコレートなど色の強いものは、すぐに処理をしても色が残る場合が多く、漂白剤で処理をします。
白い生地でコットン、ポリエステルのシミの落とし方は塩素系漂白剤(ハイターなど)で、色柄の生地は、酸素系漂白剤(ワイドハイター・ブリーチなど)で、シルクやナイロンの白い生地の場合は、還元漂白剤(ハイドロハイター)で部分的に処理します。塩素系漂白剤(ハイターなど)を使う場合は、効果が早いので、目を離さないように。漂白しすぎて色が抜けることがあります。「カルキ抜き」を横において、漂白されたらすぐに中和してください。塩素系漂白剤を使う場合は、必ず表から見えない裏側の生地でテストをして、変化が無いことを確認してから行いましょう。

しみ抜きが終わったら、必ずよくゆすいで下さい。漂白剤が残っていると、色抜けなどが起こりますので、十分注意して下さい。ニット類、ウールやシルク製品は、洗濯機には入れないでそっと手洗いする。脱水機は入れて10~15秒で終わり、よく形を整えて自然乾燥します。乾燥機は厳禁です。

衣類の中には、染色の大変弱いものがあり、水につけただけで色がにじみでて、水の色が変わってきます。
濡れた白タオルにアルカリ洗剤をつけて、生地をたたいて下さい。色が移ってきたら必ず色落ちすると思って下さい。色落ちするものは漂白出来ません。

水に溶ける水溶性の汚れ

水に溶ける水溶性の汚れは、汗、果汁、糖分、ジュースの色素、でんぷん質水溶性のたんぱく質〈卵、牛乳)、しょう油 など すぐに洗えば水だけで落ちる汚れです。
汚れの中では一番取れやすい汚れですが、放置すると水に溶けなくなったり、空気中の酸素と結合して酸化し黄ばみとなりますのですぐに取り除くことが大切。

ドライクリーニングでは水溶性の汚れはほとんど落ちません。
ドライクリーニングに出しても食べこぼしが取れなかったのに、家庭の洗濯で処理したら簡単に落ちたということが度々あります。

水に溶けない油性の汚れ

水に溶けない油性の汚れは、皮脂、化粧品、てんぷら油、動植物の油脂からできているもの、マヨネーズ、ケチャップ、ソース、機械油などの汚れ など 水だけでは落ちないので、強力洗剤の力で落とします。
また、ベンジン、アルコール、シンナー、ドライクリーニングなどの有機溶剤などが有効。
油性であるドライクリーニングに出しただけで、簡単なシミはしみ抜き無しで落ちることがあります。
水洗い用の洗剤の中には、油もよく落とすものがあります。家庭では食器洗い用の台所用洗剤が良く取れます。

水にも油にも溶けない不溶性の汚れ

水にも油にも溶けない不溶性の汚れは、空気中に浮いているちりやほこりの成分である炭素の粒(スス)や金属の微粒子、粘土、泥、砂、墨汁 など これらの汚れは粒子が大きければタタキ効果などで取れますが、
粒子が小さいと繊維の内部まで入り込むので、非常に取れにくくなります。

色落ちしやすい繊維の色落ち防止法

染色の弱い衣類は、アルカリ洗剤で洗うと更に色が落ちます。逆に酢に漬け込むと、色落ちがかなり防げます。ジーンズなど色止めをするには、お酢の中につけ込んでおくとかなり効果があります。
洗剤として衣料用に開発された酸性洗剤で洗うと色落ちが少なくなります。
しかし塩素系漂白剤(ハイターなど)と混ざると塩素ガスが発生しますので、要注意です。

黄ばんだ白ジャケットの漂白と手洗い方法・仕上げまで

白のコットンジャケットです。全体的に黄ばんでいます。
白だから余計に目立ちます。
襟の部分などが特にひどいようですね。汗をかいてそのままにしていると、汗が酸化して黄ばんでくる現象です。
白だから目立っているので、色のついたジャケットでも同じようになり、色がくすんできます。汗は水洗いでしか取れません。
家庭でも十分に手洗いできますので、トライしてみましょう。

汚れを取ることが最初のステップです。手洗いの溶剤は、100%天然石鹸です。石鹸は合成洗剤よりも洗浄力があります。十分泡だててブラッシングしてください。ブラシは市販の台所用ナイロンたわしで十分です。洗剤はアレルギー体質の方でなければ、市販のものでも構いません。

一般のクリーニング店に出すと、ドライクリーニングで処理されてしまいます。ドライクリーニングの溶剤は石油由来ですので、水溶性である汗は取れないのです。

これから、黄ばんでしまった白のジャケットを見違えるように真っ白になって、きれいに仕上げるコツと裏技をご紹介しましょう。

余話:ドライマークの衣類を洗える洗剤

ウール、シルクなどドライマークの衣類を洗える洗剤「エマール」や「アクロン」のことを、ドライクリーニングだと混同している方がいますが、全く別のものです。
ドライクリーニングは水ではなく石油系の溶剤で洗浄します。ドライクリーニングは一般家庭ではできません。
エマールやアクロンは、水洗い洗剤です。ドライクリーニング溶剤は、ウールやシルクの油性の汚れをとり水洗いのような繊維に負荷をかけなることが少ないというメリットがありますが、汗汚れなどの水性の汚れは取れません。
一方、エマールやアクロンは、通常の洗剤よりアルカリを弱くしてあり、かつ滑りを良くする平滑剤のシリコーンを入れてあるだけの水洗い洗剤なのです。
「ドライマークの衣類を洗える洗剤」と思って、洗濯機でガンガン洗ってしまうと、ウール、シルクなど風合いが全くなくなってしまうことにもなりかねません。

しみ抜きの洗剤・溶剤について

家庭では食器洗いの中性洗剤、液体洗剤が使いやすくて便利です。他に台所用マジックリン、オレンジオイル、液体洗剤、重曹を混ぜて使うと強力なシミ、汚れ落とし調合剤が出来ます。この調合剤はたいていのシミが落ちます。重曹だけはあらかじめ調合しないで、使うときに衣類に少し振りかけて使います。重曹はすぐに溶けないので、柔らかい研磨剤の役割もしてくれてます。

マジックリンは、お風呂用のマジックリンはカビを落とすために塩素系漂白剤が混入されていますので厳禁です。
油性のしみ抜きには、ベンジン、アルコール(エタノール)、クレンジングオイル、除光液など。除光液はペンキや、接着剤のしみ抜きに使いますが、アセテートなど1部の繊維には使えません。
他に血液のしみ抜きに、虫さされ用アンモニア水があります。

しみ抜き専門家はシンナー、アセトン(除光液に含まれている)、酢酸アミル、ドライ溶剤、シュウ酸、酢酸、アンモニア、酵素剤(血液)クエン酸など、他に調合されたしみ抜き剤を使用します。
酢酸アミル、シュウ酸などの有機溶剤は劇薬として指定されていますので、一般家庭では手に入りません。

漂白剤は大きく分けて、酸化漂白剤と還元漂白剤があり、一般的に酸化系漂白剤が多く使われます。
酸化漂白は、相手に酸素を与えて色素を破壊し、還元漂白は、相手から酸素を奪って色素を破壊します。
酸化系漂白剤野中にはシルク、ウール、ナイロン以外に使用できる白物塩素系漂白剤と色柄ものに使用する酸素系漂白剤があります。
ナイロンには塩素系漂白剤は使えません。

オレンジオイルは柑橘類(かんきつるい)の皮に含まれているオイルを抽出した天然洗剤。強力な洗浄力を持つ中性洗剤で手荒れも少なく安全です。台所用マジックリンはアルカリ性が強いので、手荒れが気になる場合は、オレンジオイルを洗うのが望ましいです。

重曹の効用

重曹というと、豆や青菜を煮るときに入れ、柔らかくしたりアク抜きしたり色鮮やかに仕上げたりするもので、食品添加物です。
重曹の洗浄効果はどの位あるかを試してみると、その効果と応用範囲に驚きます。
家庭内のキッチン用洗剤、トイレ用洗剤、お風呂用洗剤、食洗機用洗剤、などなど

重曹の特長

  • 弱アルカリ性で、そのまま排水として流してもpHの排水基準を超えません。食品だから人に無害で、環境にも優しいオールマイティな洗濯溶剤です。
    又、殆どの汚れは+(プラス)イオンである為に、-(マイナス)の重曹(重炭酸イオン)と中和されて洗い流されやすくなります。
  • 酸性のニオイを中和、消してくれます。
  • 洗剤に重曹を添加して使うと洗浄力が増します。
  • 漂白剤に混ぜて使うと漂白力がまします。

粉のまま使うと、クレンザーなどより、柔らかい研磨剤の役割をするので、台所のシンク、お風呂磨きに向いています。また排水口のぬめりも無くなります。

シミの取り方

道具

水溶性の染み

タオル、歯ブラシ、柄のついた小型のたわし

油、ペンキ

ベンジン、アルコールなどを浸けるため、シミの大きさに合わせて綿棒やお箸にガーゼを巻きつけ、輪ゴムで留めます。

※ペンキは種類や染み込んだ素材によって、また時間が経ってしまったもの、繊維の中まで入り込んでしまったものは、プロでも歯が立たないものがあります。

シミ抜き方法

  • 油汚れ、食べ汚しでは処理方法が違ってきますので、まずシミをよく観察することから始まります。
  • パッと見て、白、黄色、茶色のシミは、水溶性、黒っぽいのは油溶性のシミである確率が高いです。サビは茶色で不溶性ですので、処理が違います。
  • 更に虫眼鏡で見ると状態がよくわかります。繊維にからみついて浮き出ているか?繊維の中に染みこんでいるかなどです。繊維にからみついて浮き出ているのは、油溶性の染み、繊維の中に染みこんでいるのは水溶性のシミではないかと大まかな推測が出来ます。
  • 乾いたチョコレート、味噌汁などで固形となっているものは、ブラッシングや揉んだけで取れてしまうものがあります。これは繊維にからみついただけで固形物となっているので、ブラッシングだけではがれてくれたのです。
  • 水性のペンキなどもごわごわに乾いているなら、先によく揉み込むとかなりはがれますので、ベンジンまたは除光液をかけ、歯ブラシでこすります。除光液はアセトンが入っていますので、アセテート繊維には使えません。
  • ファンデーションは、水性のものと油性のものがあり、どちらなのか判断が難しいので、先にベンジン、アルコールなどの有機溶剤で取ります。裏にタオルを敷いてガーデ棒で叩き出します。歯ブラシを使った方が効果的です。やり始めると染み部分が薄くなってきたら、取れると思って、作業を繰り返して下さい。薄くなったけれどそれ以上はダメな場合は、乾いた後で、液体洗剤(食器用中性洗剤)重曹をつけて、歯ブラシでこすって見て下さい。それで変化が無ければ、酸化・変色してしまっているので、漂白作業となります。
  • 水溶性のシミの取り方は、染み自体が簡単な汚れではないので、洗浄力の強い洗剤を使います。台所用マジックリン、オレンジオイル、液体洗剤を混ぜて調合洗剤を作ります。調合洗剤はスプレー容器に入れておきます。まずシミの部分を濡らし、スプレー容器の調合洗剤を吹きかけます。重曹を振りかけて、ブラッシングします。これでたいていの汚れは取れます。お湯(60度まで)にするともっと洗浄力が増します。

    漂白剤と繊維の関係

    植物性繊維(セルロース繊維)

    衣類の色 綿/コットン・麻/レーヨン レポーリヨノンジック アセテート トリアセテート
    白物 酸化漂白剤 次亜塩素酸ナトリウム(ハイター、ブリーチ)
    亜塩素酸ナトリウム
    色柄物 過酸化水素(ワイドハイター、ブライト)
    過ホウ酸ナトリウム
    過炭酸ナトリウム
    過マンガン酸カリ
    白なんでも 還元漂白剤 酸性亜硫酸ナトリウム
    ハイドロサルファイト

    合成繊維

    衣類の色 ビニロン ポリクラール ポリ塩化ビニル ポリプロピレン ポリエステル
    白物 酸化漂白剤 次亜塩素酸ナトリウム(ハイター、ブリーチ) ×
    亜塩素酸ナトリウム
    色柄物 過酸化水素(ワイドハイター、ブライト)
    過ホウ酸ナトリウム
    過炭酸ナトリウム
    過マンガン酸カリ
    白なんでも 還元漂白剤 酸性亜硫酸ナトリウム
    ハイドロサルファイト

    含窒素繊維

    衣類の色 アクリル系 アクリル ナイロン プロミックス 毛・絹(シルク) ポリウレタン
    白物 酸化漂白剤 次亜塩素酸ナトリウム(ハイター、ブリーチ) × × × × × ×
    亜塩素酸ナトリウム × × ×
    色柄物 過酸化水素(ワイドハイター、ブライト) × ×
    過ホウ酸ナトリウム × ×
    過炭酸ナトリウム × ×
    過マンガン酸カリ × ×
    白なんでも 還元漂白剤 酸性亜硫酸ナトリウム
    ハイドロサルファイト
    使えないもの
    金属製のボタン・バックル・ファスナーなど金属付属品のある衣料にはどの漂白剤も使えません。
    金属部分が変色してしまいます。

    塩素系漂白剤(ハイターなど)

    塩素系漂白剤(ハイターなど)は、色柄ものは色が落ちてしまいますので使えません。
    白もののコットン(綿)麻、レーヨン、アセテートなど植物性繊維なら、安心して使えます。気持ち良いほどシミがキレイになります。漂白は必ず先に汚れを取ってから漂白作業をして下さい。漂白はついた色素を消去しますが、汚れを落とす訳ではありません。塩素系漂白剤、酸素系漂白剤とも、漂白の効果を上げるには、重曹を漂白剤に加えて行うと驚くほど効果が高まります。

    白物のポリエステルにも使えますが、裏側の見えない生地を使ってテストを行って、変化が無いことを確かめてから、行って下さい。シルク、ウール、ナイロン、ポリウレタンには使えません。ナイロンには亜塩素酸ナトリウムのみ使えます。またあらゆる色柄ものには色が落ちてしまいますので使えません。漂白液に浸けこむのではなく、あくまで部分漂白にして下さい。
    塩素系漂白剤(ハイターなど)は強いので、水の温度は常温で行って下さい。汚れきったタオルなど塩素系漂白剤(ハイターなど)をお湯で漂白するととても白くなりますが、長く漬け込んでしまうと、生地が傷んでしまいます。それほど塩素系漂白剤は強いのです。

    塩素系漂白剤(ハイターなど)は効果が早く塗りつけただけでみるみる内に、シミの色素が白くなります。それだけに、失敗する事も早いので、異変が合ったらすぐに水で流す体制を取っておいて下さい。
    間違ってシルク、ウールに使ってしまって、黄色に変色した、色が抜けたという場合、還元漂白剤(ハイドロハイター)で漂白すると元に戻って漂白に成功する事もあります。還元漂白剤(ハイドロハイター)は全てのものが戻る訳ではありません。

    塩素系漂白剤(ハイターなど)の使用中は、他の衣類を近くにおかないように。飛沫がかかるとその部分だけ色が抜けてしまいます。終わった後はよくすすいで塩素系漂白剤(ハイターなど)を残留させないように。
    手も洗って下さい。目の中、口の中にに入ると危険です。また塩素系漂白剤には「酸性タイプの製品と混ぜると塩素ガスが出て危険」と表示されています。お酢などと混ざると塩素ガスが発生します。発生すると低いところに流れます。目、皮膚、気道に対して腐食性があり、低濃度でも鼻やのど、目に刺激を感じ、吸入すると肺水腫を起こすことがあります。許容濃度を超えると死に至ることもありますので、もし塩素ガスが発生した場合は、すぐにその場から離れてください。

    水道水の消毒にごく微量な塩素系漂白剤が使われていて、私たちの飲料水として使われていますが、それでも健康には良くないと、塩素抜きの浄水器が汎用されています。
    目の中に入ったらすぐに水で洗い流すこと、口の中に入ったらよくうがいをして下さい。

    酸素系漂白剤(ワイドハイターなど)

    色柄ものに使用します。ただしナイロン繊維には使えません。ナイロンの白物には還元漂白剤(ハイドロハイター)が使えます。色柄ものナイロンは漂白が出来ないということになります。
    液体のワイドハイター(過酸化水素)はウール、シルクなどにも使えて便利です。漂白液に浸けこむのではなく、あくまで部分漂白にして下さい。
    色柄もの用の酸素系漂白剤は効果が遅く、早くするために、温度が必要となってきます。40度のお湯で漂白剤を薄めシミの箇所に塗りつけます。それでも遅いと感じる時は、染みぬき剤を塗りつけた後、やかんにお湯を沸かし、出てきた蒸気に3秒かざすと言う方法です。必ず色変化を観察しながら慎重に行って下さい。
    一晩漂白液に浸け置きするというのが、クリーニング店で行っている一般的な漂白方法ですが、あまりおすすめ出来ません。、一晩経って見たら漂白しすぎてとんでもないことになりかねないからです。
    全体的に黄ばんでしまった衣類などを白くしたいなら、全体漂白の漬け込みもあり得ますが、しみ抜き部分の漂白作業は、部分漂白に限ります。
    また白物で、塩素系漂白剤で失敗した場合、還元漂白剤で元に戻るという事もありますので、試して下さい。

    還元漂白剤(ハイドロハイター)

    白い衣料にはなんでも使えます。塩素系漂白剤(ハイターなど)が使えないウール、シルク、ナイロン、アクリルに使用します。鉄分や赤土の汚れを落としたり、塩素系漂白剤をくり返し使って黄ばんだものを白くする、白い衣料専用の漂白剤です。
    還元漂白は、酸素を奪って色素を破壊する漂白剤で、酸化型漂白と全く逆の働きをするので、酸化漂白で落ちないシミが落せます。
    衣料の漂白をするときには、40度ぐらいのお湯に溶かして使うようになっています。サビ落としに使う場合、すぐに冷めてしまうので、熱めのお湯(50度ぐらい)を使うのがコツです。
    それでも遅いと感じる時は、染みぬき剤を塗りつけた後、やかんにお湯を沸かし、出てきた蒸気に3秒かざすという方法です。必ず色変化を観察しながら慎重に行って下さい。ただし強烈な臭いが出てきますので、注意して下さい。
    白いシルクを塩素系漂白剤(ハイターなど)を、間違って使って、黄色くなってしまった。さあ困った!という場合でも、還元漂白剤(ハイロハイター)で、元に戻すことが出来ます。全てがうまくいくわけではありませんが、還元漂白はそんな働きもしてくれます。

    酸化・変色したシミとは

    酸化とは「物質が酸素と化合して酸化物を作る化学変化」です。鉄がサビるのも酸化です。お茶の染みが濃くなったり、汗が黄色く変色したりするのも同じです。腐敗なども、酸化されることによって起こります。
    衣類のシミ汚れ、汗なども空気中の酸素と結合して化学変化を起こして変色してきます。
    どのくらいの期間で変色するかは、温度、湿度などが高いほど酸化が早くなります。
    保管方法が良ければ、1年経ってもシミは洗浄力のある洗剤であれば落とすことが出来ます。
    酸素がない状態で保管する「真空パック」は酸化が起こらないので、理想的な保管方法といえます。
    化学変化を起こして変色が定着してしまったシミは、洗剤では取れなくなり、漂白作業しか除去の方法がないとなるのです。
    酸化が進むと、染みの色が濃くなって、取れなくなってきます。
    酸化・化学変化は生地に与えるダメージも大きくなりその部分が劣化、破れることも起こります。
    早めの処理というのは、生地に与えるダメージを出来るだけ小さくする最善策です。

    本洗い(すすぎ)について

    衣類の種類によって大きく異なります。しみ抜きが終わった後でも、汚れや洗剤は薄くなって、広がっただけですので、衣類に残っている汚れ、洗剤などを水で洗い流してしまわなければなりません。そうでないと輪ジミとなってしまいます。ドライヤーで乾かすのはおすすめ出来ません。
    普段家庭の洗濯機で洗っているものは、そのまま洗ってかまいません。乾燥機には入れないで自然乾燥して下さい。コットン、麻、合成繊維は家庭で洗うことができます。ウールのニット、カシミヤ、アンゴラ、シルクなどの高級衣類は、ゆすいだ後、脱水し、シワをよく伸ばして自然乾燥。アイロン仕上げが大変なので、家庭で処理はしないで、クリーニング店に持って行って下さい。
    ゆすぎのポイントは、たらいで軽く押し洗いだけ。脱水のポイントは脱水機に畳んで入れること。脱水機を回す時間は15~20秒が限界です。

    しみ抜き後、漂白作業をしてくれるクリーニング店は大変少ないので、しみ抜き方法、漂白作業、本洗い(すすぎ)の方法をマスターすれば、プロに負けないしみ抜き師になります。

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