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綿詰め・綿補充作業の例(手触りがボコボコになってしまったぬいぐるみの綿の詰め替え)

ぬいぐるみの状態をチェックします

このワンちゃんが前のめりに縮こまってしまったのを補正してほしいという依頼です。

ぬいぐるみを抱きしめたりなど、長くかわいがっているうちに中の綿が縮んで細くなってきます。そのせいで形が崩れて、手触りもボコボコしています。家で洗濯を繰り返したときも綿が固まってゴワゴワします。綿補充をして姿勢を正します。どこから綿を入れるか。まず綿を入れる場所を探します。

綿を入れる穴をあけます。

本来のぬいぐるみ制作方法は、表の生地だけを、形に合わせてミシンで縫製します。9割がた縫製されたところで、まだ縫われていないとこから中綿を入れます。ぬいぐるみの形ができたら、綿をいれた穴をふさぐのです。そこだけは手縫いです。

その縫い目にはさみを入れて開けていきます。本体を傷つけないように慎重にです。

大きな穴が空きました。奥の隅々まで手で綿探りながら入れなければならないので、このくらいの大きさが必要です。ここから綿を詰める作業が始まります。

綿詰めにはまっしろな手芸用綿を使用します。素材はコットンではなくポリエステルの綿。コットン(綿)だと湿気を吸ってしまうので、水はけの良いポリエステルが良いのです。

取り出したぬいぐるみの綿がボコボコになっていました

もともとぬいぐるみに入っている綿です。クリーニング済みですから、綿の汚れはきれいになっていますが、綿が縮こまって丸まっています。縮こまった綿の間に隙間ができる。これがぬいぐるみが痩せてくる原因なのです。

手で探りながら、綿をバランスよく入れていきます。もともと入っている綿は固くなっているので、新しい綿とのガタツキが出ないように、手の感覚を感じながら均等にバランス良く入れていきます。文字通り手探りの職人技です。

入れてみた感じを外側からも確認して綿の入れ具合を見ます。顔に入れる場合は、入れすぎると顔が変わってしまったりしますので、特に神経を使います。できる限りオリジナルの状態にします。写真を参考にして作業をすることもあります。

ぬいぐるみ専用のカーブ針で縫います

綿補充をして、外側から触ってみて形、硬さのOKが出れば、今度は縫い閉じです。ぬいぐるみ専用のカーブ針で縫い目がわからないように縫っていきます。

ぬいぐるみの修理のポイントは、お客様の修理の要望にお答えして修理をすること。そして大事なのは縫い跡など修理部分が外側からまったくわからないようにすることです。

糸が再びほつれないように結びます。それを内側に入れるようにして結ぶことがこの作業のポイントです。

縫い跡がまったくわからないようになりました。

ワンちゃんの姿勢も正常に戻りました。完成です。

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