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マッキントッシュのゴム引きコートのクリーニング

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「MACKINTOSH」はゴム引き防水コートの代名詞

マッキントッシュ。アップルのコンピュータ「マック」のことではありません。
英和辞書で「MACKINTOSH」と引くと、「ゴム引き防水コート」と書かれており、マッキントッシュは完全防水のゴム引きコートの代名詞となっているイギリス生まれのブランドです。

マッキントッシュブランド

マッキントッシュブランドでは、今ではキルティングジャケットやバッグなども作られていますが、ゴム引きコートは150年以上も作り続けられている名品です。 当時、防水布といえば、キャンバス地に油を塗って雨風を防いでいた時代。
英国上流階級のアウトドアジャケットとして有名なオイルドコートのバブアー(Barbour)が有名ですね。 創業者のチャールズ・マッキントッシュが、二枚の生地の間に液化した天然ゴムをのばして圧着し、熱を加えて作ったマッキントッシュクロスを開発し、その防水性の高さは、イギリスの人々に大きな衝撃を与え、画期的なゴム引きコートは瞬く間にヨーロッパ中へ広まりました。

ゴム引きコートの魅力と劣化の心配

マッキントッシュのゴム引きコートは今もなお当時と変わらぬ製法で、職人の手によって一着一着作られています。
完全防水にするために、縫い目には全て裏から防水テープを張り、ライニングやポケットの取り付けは縫製ではなく、特殊な接着剤で行います。接着剤をのばして貼り付け、ローラーをかけて乾かすという作業を丹念に繰り返して作り上げるため、生産枚数も限られるのだそうです。
マッキントッシュのゴム引きコートはお手入れに手がかかる、クリーニングが難しいという点で今の時代に必ずしも手軽なコートではありませんが、袖を通すと感じる独特のフォルム、衣擦れの音、匂いが、ファッション業界のプロフェッショナル達を魅了しています。
完全防水、風を通さないなどレインウエアとしては完璧ですが、その分湿気がコートの中にこもり、蒸し暑かったりすると、コートの中がサウナ状態になってしまいます。 またマッキントッシュは伝統的な製法でつくられているせいか、着用、洗濯、保管状況に応じ、生地の風合いや色目が変わってきます。
この経年変化による退色感が魅力のひとつとも言えますが、気をつけて着用しないとあちらこちらに思いもよらないダメージが出てきます。

マッキントッシュお手入れの難しさ

まず、スレ。中にゴムが圧着されているせいか表面が硬く、ポケット、衿、ボタン周りがすれると、白化して白くなってきます。
脇、ひじなどの摩擦が大きい部分もです。 生地と生地の間にゴムが入れられていますが、そのゴムが劣化して表面の生地が浮いてくることもあります。
さらに、蒸れやすいコートですから、衿の部分についた汗と皮脂をついたままにしておくと酸化して変色してきます。
完全防水にするために、縫い目には全て裏から防水テープを接着剤で張り会わせてありますが、ワキの部分は摩擦が大きいので、ボンドの劣化とともに剥がれてきます。
乾燥したイギリスで作られたマッキントッシュは、高温多湿な日本の気候が嫌いです。普段のお手入れは、着用後はブラシをかけてホコリを取り払う。
なるべく風通しの良い日陰で保管してください。
食べ汚しやシミがついたらすぐにきつくしぼったタオルでたたいて汚れを取る。決して強くこすらない。強くこするとその部分が白化してきます。
直接肌にあたるエリと袖口は、洗剤をつけ軽くタオルで拭き取り、きれいな水タオルで拭き取ります。

マッキントッシュのゴム引きコートのクリーニング

そして1年に一度は専門のクリーニングに依頼してください。 マッキントッシュを買ったお店は、クリーニングではかえって素材が劣化するので出さないでください。といわれてしまいます。
洗濯表示がすべて×になっているので、日本ではクリーニングしてはいけない商品なのです。だからといって汚れたままにしておきたくはないですね。
洗濯表示がすべて×になっているので、クリーニング店に持って行っても断られてしまいます。
しかし洗濯表示がすべて×となっているのは、家庭洗濯表示で家庭では洗ってはいけませんという意味で、技術を持つクリーニングのプロは洗えます。

水洗いのみ。ドライクリーニングは出来ません

洗い方は、手洗いと弱い水流による水洗いです。ドライクリーニングが出来ません。
なぜなら接着に使われているボンドが油性の溶剤で溶けるからです。 エリには必ず汗と皮脂がこびりついているので、ゴム引きコート専用の洗剤でやさしくブラッシングします。汚れが取れないからといって強くこすると色が抜けて白くなってきます。
肌に触れる袖口とポケット周りもやさしくブラッシングします。生地のカドも強くこすらないように。
マッキントッシュのゴム引きコートの専門クリーニングでは油性のシミがついているからといって油性のしみ抜き剤をつかっていますが、それは決しておすすめできません。二枚の生地の間に入っているゴム部分が溶けてくるリスクがあるからです。
そしてブラシは竹で作った“ささら”でブラッシングするのもおすすめ出来ません。刺激が強いので、白化するリスクが生じるからです。

ゴム引きコート専用の洗剤でデリケート洗い

そして前処理が済めば、2槽式の洗濯機でデリケート洗いにセットしてお湯で洗います。
ここでマッキントッシュゴム引きコートの洗浄に使用する洗剤は、特別に調合されたゴム引きコート専用の洗剤です。
洗浄力が強いのに、生地を傷めないように開発された洗剤です。
洗濯槽にいれ、ゆっくり撹拌すると、汚れが目に見えて浮いてきます。

ゆすいだら脱水無しで「ダラ干し」自然乾燥

次に脱水です。マッキントッシュのゴム引きコートは硬い風合いが特徴なのできつく脱水してしまうと繊維が折れてしまうことがありますので、ゆすいだら脱水無しで「ダラ干し」を行います。 水がしたたり落ちるにまかせて自然乾燥します。
実は「ダラ干し」は、脱水しない分だけ、シワが少なく済みますので、仕上がりが美しくなるという利点もあります。

アイロン仕上げ

マッキントッシュのゴム引きコートの仕上げは、丁寧に行います。
二枚の生地の間に液化した天然ゴムをのばして圧着し、熱を加えて作ったマッキントッシュクロスは、中のゴムが劣化してくると一部が丸いカタチとなって外側が浮いてくることがあります。
その場合も業務用アイロンの蒸気を調節しながら修正しながらプレスしています。大きなプレス機ではこうしたデリケートな作業が出来ません。
最後に整えて完成です。

クリーニングのデアでは、マッキントッシュのゴム引きコートのクリーニングを以上のようなクリーニング工程で洗っています。

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