バッグ・財布の修理レポート5

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イヴ・サンローラン ショルダーバッグの染め替え

染め替え依頼です。
表面が細かく荒れた感じにもなってきたので、気分一新染め替えして欲しいという依頼です。
少しブラウンとグレーが入ったベージュ系の色に染かえしました。
こうしたひだの多いレザーの染め替えは、部分部分にエアーブラシや刷毛、筆を使って染色していきます。
最後に、色あせなどが怒らないように色止め加工をしました。
良い感じのバッグとなりました。

ロエベ ショルダーバッグの染め替え

「LOEWE」のマークが縫い込まれている素敵なバッグです。
素材がスエードなので、薄汚れてしまいました。
お客さまから、その色は飽きたので好きな濃紺にして欲しいと色見本までいただきました。
染料を調合してご要望の色をつくり、染色を施しました。
素晴らしい出来栄えとお褒めのことばを頂きました。

シャネル マトラッセ チェーンショルダーバッグ

おなじみの鮮やかな水色のシャネルマトラッセです。
薄い色のレザーバッグは、汚れが紫外線に作用して変色してきます。
かぶせを開くと中はきれいな水色です。
この色に合わせて、染料と顔料を調合して、カラーリングを行います。
バッグ専用クリーニング&クレンジングをしたあと、刷毛、エアーブラシ、細かいところは筆を使って塗っていきます。
チェーンを外して、チェーンの革部分もカラーリング(染色)してすっかりきれいになりました。

エルメス エールバッグのヌメ革のシミ

キャンバスは布、上部はヌメ革です。表面加工のない自然の革を生かしたヌメ革は、時間経過とともに色が濃くなってきます。
それが魅力なのですが、吸湿性がよく濡れたりすると、シミになります。
まずバッグのクリーニング&クレンジングでまず汚れを取ります。
ヌメ革ですから、革の中まで染み込んでいるので、あとが残ります。
カラーリング(染色)で修正します。
ここでポイントなのが、ヌメ革のマットな質感を残した染色技術です。
これはなかなか出来ない技術です。キレイに仕上がりました。

ルイヴィトン ヌメ革の修正

おなじみのルイ・ヴィトンモノグラムの皮革部分はヌメ革です。別名「ナチュラルレザー」とも呼ばれていて、最初は白に近いベージュのような色味をしていますが、少しづつ飴色に変わってきます。
こうした変化も楽しめるのがヌメ革の魅力ですが、表面加工がされていない分、水分を吸いやすく汚れがついたら取れにくい性質を持っています。
ヌメ革専用のクレンジングで汚れを除去します。
シミ跡が残りますので、リカラー(色補正)で修正します。
自然な革ですから、表面加工されているレザーとは違い、顔料と染料を調合してヌメ革独特の質感が出るように作業しました。

エナメル長財布の修復

エナメルレザーはエナメル顔料で加工されています。
ガラスのような加工なのに、汚れがついてしまうのです。
エナメルの表面は、顕微鏡で見ると極小の穴があり、そこから汚れが入り込み、取れないのです。
修復するには、エナメルを剥がして中の汚れを取って、そしてエナメル再加工をするという方法です。
この技術をもっている工房は数少ないのです。
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