電気式衣類乾燥機とガス式衣類乾燥機はどう違う?メリット・デメリット

雨が続く日や雪の日、花粉が気になって外に洗濯物を干せない日、小さなお子さんがいて洗濯物が無限に続く!
そんなときに気になるのがご家庭用の衣類乾燥機かと思います。

衣類乾燥機には電気式とガス式があるのですが、多くのご家庭で電気式が使われています。
でも都市ガスエリアにお住まいの方でしたら「電気代よりも都市ガスの方が光熱費が安そうなのに?」と思うのではないでしょうか。
なぜガス式を使用するご家庭が少ないのか、電気式、ガス式のメリット・デメリットなど、ご家庭向け衣類乾燥機について詳しくご紹介します。

目次

一般的な乾燥機は電気式乾燥機


一般的なご家庭で主流となっている電気式の乾燥機には2つの種類があります。

ヒーター式乾燥機

ひとつは内蔵されているヒーターで衣類を乾かす「ヒーター式」です。
ヒーター式は100℃近い熱風を衣類に当てて乾かす仕組みなので、しっかり乾燥させることができるものの、熱風で衣類が傷みやすいなどのデメリットもあります。
また、ドライヤーを何時間も動かしているようなものなので、電気代も高くなってしまいます。
現在は縦型洗濯機に採用されていますが、ドラム式洗濯機や衣類乾燥機にはあまり使われていません。

 

ヒートポンプ式乾燥機

もうひとつは現在主流となっている「ヒートポンプ式」です。
ヒートポンプ式は衣類を除湿することで乾かしていきます。
ヒートポンプは熱交換の仕組みです。温風を洗濯槽に送って湿気を含んだ空気を冷やして結露させることで除湿を行います。再度空気を温めて洗濯槽に戻し除湿をするという循環を繰り返すことで衣類の湿度が下がり乾燥します。
ヒーター式よりも運転時間が短く消費電力が少ないため、電気代を抑えることができます。

 

電気乾燥機のメリット・デメリット

電気乾燥機のいちばんのメリットは、なんといっても雨でも洗濯物がカラっと乾くことでしょう。

メリット:いつでも洗濯物が乾く


雨の日以外も、雪の日、花粉が飛ぶ季節、黄砂や火山灰が飛ぶ地域でも天候・気候を気にせず洗濯物を乾かすことができます。
お洗濯は毎日のことなので、家族みんなの洗濯物を担う主婦・主夫、毎日忙しく洗濯に手間をかけていられない会社員の方など、みんなにとっても嬉しいメリットです。

 

メリット:設置が簡単

電気式の衣類乾燥機は電気が使える場所であればどこにでも設置できます。
洗濯機の上の空間に設置できるのでワンルームマンションにも置くことができます。
この手軽さも電気式乾燥機の大きなメリットです。

 

デメリット:電気代が高くなります

いちばんのデメリットは電気代がかかってしまうこと。
衣類乾燥機を買ってはみたものの、外干しならタダで干せるのに・・・と考えると日々のコストが気になってあまり使っていないという方もいらっしゃいます。

 

デメリット:生乾きになる/衣類が傷む

使い慣れてしまえば防げるトラブルですが、詰め込む洗濯物の量が多すぎると生乾きになったり、匂いが気になることもあるようです。
また、ブラウスが思い切り縮んでしまった、ポロシャツが縮んだなどのダメージが起こることもあります。
ただし、これらは説明書をきちんと読んで対応すれば防げるトラブルです。

 

ガス乾燥機とは?「乾太くん」とは?


出展:東京ガス衣類乾燥機(乾太くん)5kgタイプ

ガス乾燥機は電気ではなくガスの力で乾燥させる衣類乾燥機。ガスを利用して80℃~100℃の高温で衣類を乾燥させます。
構造としては、乾燥機にガスの熱で温めた高温の温風を送りこんで衣類の湿度を落とします。湿気を含んだ温風はそのまま外に排出されるため、とても効率良く衣類を乾かすことができます。

「乾太くん」は、給湯機器や厨房機器などの製造販売を行う大手メーカー、リンナイのガス式衣類乾燥機の名称です。
ガス式乾燥機は機種が圧倒的に少なく、現在のところご家庭でガス式衣類乾燥機を使用するならこの乾太くん一択になります。シェア100%ってすごいですね。笑

 

ガス衣類乾燥機のメリット・デメリット

ガス衣類乾燥機はプロが使うくらいとてもパワフル!
まずはメリットを確認しましょう。

メリット:乾燥時間が早い!

ガス乾燥機は電気衣類乾燥機と比較すると乾燥時間が圧倒的に短いんです。
東京ガスの実験によると、ヒートポンプ式で5kgの洗濯物を乾かすのに約162分かかったところ、ガス衣類乾燥機の乾太くんなら約52分で乾いたそうです。

出展:東京ガスくらし情報メディアウチコト

これはあくまでも実験結果によりますが、電気式からガス式に買い替えた方の口コミでも「今まで3時間かかっていた衣類乾燥がガス式に変えたら1時間になった」という報告があります。

 

メリット:ランニングコストが安い

ガス式衣類乾燥機でもガス代はかかりますが、稼働時間が短いので電気式よりもランニングコストを抑えられます。

つづいて、デメリットも確認しておきましょう。

デメリット:設置できない家も多い

ガス式衣類乾燥機は本体とガス栓をつないで、さらに高温となる排気を屋外に排出するための穴を壁に開ける必要があるため、設置したい場所に置けないこともあります。
また、オール電化住宅ではガスの引き込みが行われていないので設置はできません。

現状としては、一戸建てでガスを利用しているご家庭であれば設置可能であることが多いのですが、マンションでは難しいかと思います。

この点は非常に大きなデメリットで「パワーがあって光熱費を抑えられるガス式衣類乾燥機を使いたいけど、マンションだから電気式衣類乾燥機を使っている」という乾燥機ユーザーもいます。

 

洗濯機と一体型はない

ガス式衣類乾燥機は独立型の乾燥機で、「ドラム式洗濯機+優れた乾燥機能」のように洗濯機と一体型の製品はありません。
少なからず場所を取りますので、設置場所は慎重に検討する必要があります。

出展:東京ガス:ガス式衣類乾燥機(乾太くん)5kgタイプ

 

設置に手間と費用がかかる

ガス式衣類乾燥機は業者さんにお願いして設置してもらうのが一般的です。
部材費や工賃がかかりますので、電気式乾燥機よりも初期費用がかかってしまいます。

 

クリーニング屋さんはガス式衣類乾燥機を使用しています

電気式衣類乾燥機とガス式衣類乾燥機をまとめると次のようになります。

・マンションで衣類乾燥機を設置するなら、設備の都合上かなり多くのケースで電気式衣類乾燥機になる。
・一戸建てならガス式衣類乾燥機も選べる。
・電気式衣類乾燥機にはヒーター式とヒートポンプ式があり主流はヒートポンプ式。
・ガス式衣類乾燥機は電気式衣類乾燥機よりも短い時間で洗濯物が乾く。
・ガス式衣類乾燥機は設置にも費用がかかるため、初期費用は高くなる。

ちなみにクリーニング屋さんのようなお洗濯のプロはほぼ必ずガス乾燥機を使っていて、宅配クリーニングのデアにもガス式衣類乾燥機があります。
ダウンジャケットや掛布団などを専用の乾燥室で丁寧に乾燥させた後に、数分だけガス式衣類乾燥機にかけてタンブリングします。このひと手間だけで新品のようなふんわり感が戻るんです。

乾燥機による仕上げのタンブリングは電気式衣類乾燥機でもできますので、ぜひご家庭でダウンジャケットなどを洗ったときに試してみて下さいね。

目次