【疑問】ベンジンとは?衣類のシミ抜きに必要なの?

「子供が服にミートボールを落とした!」 「ラーメンの汁をこぼしちゃった・・・」 こんなときによく聞くのが「シミ抜きにはベンジン」というワードではないでしょうか。 ベンジンって昔から聞く言葉ですが、その正体は一体なんなのか、いつどうやって使うのかよくわからないところもあります。 衣類のシミ抜きにはベンジンが必要なの?

目次

ベンジンとは?

ベンジンはガソリンに似た成分でできている無色透明の有機溶剤です。 Wikipediaによると、ベンジンは(benzine) は、「原油から分留精製した揮発性の高い可燃性の液体」とあります。原油は精製する前の石油ですね。 なぜ有機溶剤であるベンジンがシミ抜きに使えるのでしょうか。

ベンジンの特徴

ベンジンがシミ抜きに向いている理由は、ベンジンの特徴を知るとよくわかります。

油溶性のシミ落としに強いです

ベンジンは油脂をよく溶かす性質を持っています。ベンジンをなじませることで落とせる主な汚れは「油溶性の汚れ」になります。

★油溶性の汚れとは? ・ファンデーション ・口紅 ・襟元の皮脂汚れ ・チョコレート、ココアなど油溶性のシミ ・バター、ラード、牛脂、オリーブオイル、サラダ油などの食用油脂 ・クレヨン など

ベンジンは揮発性の溶剤です

ベンジンは揮発性の溶剤なので、アルコールと同じですぐに蒸発します。 水のように生地の上にいつまでも残ることがありませんので、水に弱いデリケートな衣類、ウール、シルクなどのしみ抜きにも使うことができます。

「カイロ用ベンジン」もシミ抜きに使える?

ベンジンの中には「カイロ用ベンジン」というものもあります。 カイロ用ベンジンはハクキンカイロというオイルを使ったカイロの燃料となるものです。カイロ用ベンジンでシミ抜きをしている方もいらっしゃるようですが、シミ抜き目的でこれからベンジンを購入されるようでしたらシミ抜き用ベンジンを選ぶと良いでしょう。

ベンジン・アルコール・除光液はどう違うの?

ベンジンと同じくアルコール、除光液もシミ抜きに用いられますが、これらは原料から異なります。

【ベンジン】
ベンジンは原油を精製して作られる可燃性の液体です。ガソリンの一種と考えるとわかりやすいと思います。

【アルコール】 アルコールとは「エタノール」「メタノール」などの総称です。 お酒や消毒液などの主成分となるのはエタノールで、サトウキビやトウモロコシなどを発酵させて作られます。これらは「発酵アルコール」になります。 アルコールは水溶性で揮発性が高く、可燃性も高いという性質があります。 アルコールはベンジンと同じく油溶性のシミ落としに用いられます。 「ベンジンはないけど消毒用アルコールなら家にある」という場合は、まずアルコールでシミ抜きをしてみると良いでしょう。 なお、消毒用アルコールは飲料用としては作られていないので飲用は危険です。絶対にやめましょう。

【除光液】 除光液はマニキュアを落とすための製品です。 多くの除光液にはアセトンという揮発性の高い有機化合物が配合されていて、油脂を溶かすことでマニキュアを落とします。 この油脂を溶かすという性質が油溶性のシミ抜きに用いられます。

ベンジンはどこで買えるの?

ベンジンはドラッグストアやホームセンターでも購入できますし、楽天などのネットショップでも売っています。 ダイソー、セリアなどの100円ショップでは取り扱っていないようです。

ベンジンを使ったのシミ抜き方法

★用意するもの ・ベンジン ・汚れても良いタオル数枚

1.衣類のシミの裏側に汚れても良いタオルを敷きます。 2.別のタオルにベンジンをつけてシミを叩きます。 3.シミがタオルに移るようでしたら、その汚れはベンジンで落とせる油溶性の汚れになりますのでシミがなくなるまでこの作業を繰り返します。 ベンジンは揮発するのでふき取りの必要はありません。

ベンジンをシミ抜きに使う注意点は3つ!

ベンジンを使ったシミ抜きは意外と簡単ですよね。 ただし、気を付けておきたい注意点もありますのでご紹介します。

引火にはくれぐれもご注意を!

ベンジンはガソリンの一種とも言われるくらい極めて引火しやすい可燃性の液体です。 ライターの火を近づけるとあっという間に火がつきます。 ベンジンを使用するときは火気厳禁です。 ガスコンロ、石油ストーブ、石油ファンヒーターの近くでは作業しないようにしましょう。 たばこも厳禁です。 乾燥が厳しい冬場は衣類や髪の毛などの摩擦で起こる静電気の火花によって引火することもあるそうです。 十分に注意して取り扱って下さいね。

色落ちチェックをしましょう

ベンジンは水洗いが難しいシルクやウールにも使えるくらい万能なのですが、有機溶剤に弱い繊維に使ってしまうと変質や色落ちなどのトラブルになってしまうことがあります。 特に気を付けたいのがナイロンです。ベンジンはナイロン生地を溶かしてしまいます。 洗濯表示を確認してドライクリーニングができるものであればほとんどの場合は大丈夫です。 心配な場合は目立たない部分に綿棒などで塗ってみて、色落ちや変質がないことを確認してから使いましょう。

換気しながら作業しましょう

ベンジンは揮発性ですぐに蒸発するのですが、締め切った部屋で使い続けると空気中に充満します。 換気扇を回しながら作業する、窓を開けるなど換気もお忘れなく!

ベンジンでとれなかったシミはどうすればいいの?

ベンジンは油溶性の汚れには強いのですが、水溶性の汚れを落とす力はありません。 水溶性の汚れは、汗、ジュースの飲みこぼし、アルコール、コーヒー、しょうゆ、血液など。 これらはベンジンだけで落とすことはできません。 水溶性の汚れは、ベンジンの代わりにキッチンで使う食器洗い洗剤で叩くことで落とせるのですが、時間が経ってしまったシミ、広範囲に広がったシミは困難かと思います。 お洗濯が不安な衣類のシミ抜きは無理に洗おうとせずに、宅配クリーニングのデアにご相談下さい。
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